「ウィズ・アフターコロナ」下で5割超が省人化・自動化やテレワークなど必要と回答

「ウィズ・アフターコロナ」下で5割超が省人化・自動化やテレワークなど必要と回答

物流連が会員企業向け調査、運賃・料金水準の見直しを挙げる向きも

日本物流団体連合会(物流連)は2月5日、「物流企業における新型コロナウイルス感染症への対応動向調査報告書」を公表した。

アンケート調査結果を見ると、今後は「ウィズコロナ・アフターコロナ」が続く中で物流企業の経営にどのような対応が必要かとの問いには、非接触型や省人化、自動化など物流システムの見直しと、テレワークなど働き方の見直しを挙げる向きが過半数を超えた。

アンケート調査は20年9~10月、会員企業81社を対象に実施、回答したのは約3割の29社だった。回答企業数自体が少ないため、物流業界全体の傾向をどの程度正確に反映しているかは微妙だが、少なくとも主要物流企業の中で、密集を回避して作業の生産性を高めるため、アナログで人海戦術的な作業を見直す機運が一段と高まっているとは言えそうだ。

調査報告書によれば、国内外の輸送や倉庫部門に関し、2020年度は輸送量・取扱量や収入、利益が前年度から減少するとの見方が目立つ半面、21年度は増加するとの予想が一定数存在した。コロナ禍による急激な需要の落ち込みから回復していくとみている向きが多いとみられる。

「サプライチェーン全体の商慣習」も3割

今後の「ウィズコロナ・アフターコロナ」下の物流業経営でどのような対応が必要かを聞いた結果(複数回答可)、「非接触型、省人化、自動化など物流システムの見直し」と「事務系従業員の出勤体制やテレワークの見直し」がともに55・2%で最も多かった。

「運賃・料金水準の見直し」が34・5%、「荷主企業に対する取引条件見直しの要求」と「サプライチェーン全体での商慣習の見直し」がいずれも31・0%などと続いた。今後、荷主企業と積極的に交渉しながら、手作業の削減や自動化機器導入といった対策が進むかどうかがあらためて注目されそうだ。


「ウィズコロナ・アフターコロナ」への対応(物流連調査報告より引用)

輸送部門(BtoB)の国内は、20年度の輸送量・取扱量が「大幅に減少」と「減少」の合計で80・8%、収入と利益は73・1%に上った。その一方、21年度は輸送量・取扱量、収入、利益のいずれも「増加する」が34・6%に達した。

輸送部門(BtoB)の海外は、20年度の「大幅に減少」と「減少」の合計で輸送量・取扱量が79・0%、収入が68・4%、利益が73・7%を記録。21年度はいずれも「増加」が42・1%に上った。

輸送部門(BtoC)も国内外で同じような傾向を見せている。

倉庫部門は国内で20年度の輸送量・取扱量、収入、利益の全てで「大幅に減少」と「減少」の合計が42・1%。21年度はいずれも「増加」が31・6%だった。

海外は20年度の輸送量・取扱量、収入がともに「大幅に減少」と「減少」の合計で41・6%、利益も50・0%だった。21年度は「増加」が輸送量・取扱量と利益でともに33・3%、収入は41・7%まで伸びた。

(藤原秀行)

調査報告書の全文はコチラから(物流連ウェブサイト)

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