長距離輸送時にデータを継続取得、薬品や鮮魚などの品質維持
東京大大学院新領域創成科学研究科と三井不動産、日立物流、東京大発で有機半導体技術の商用化に取り組むベンチャーのパイクリスタルは2月25日、物流分野向けに長寿命で再利用が可能な無線電子タグの実証実験に成功したと発表した。
有機半導体を活用し温度・振動を感知するセンサーと低消費電力回路を組み合わせ、長期にわたって安定して動作できる無線電子タグを生み出した。フィルム状で薄型のため、梱包する際に邪魔とならないのもメリットだ。
2020年6月、千葉県柏市で市場から三井不動産が開発を進めている「柏の葉スマートシティ」まで鮮魚を届ける際、保冷箱に無線電子タグを取り付け、温度を継続的に測定、データを蓄積することができた。
さらに今年1~2月、パイクリスタルの大阪にある拠点から柏の拠点へ冷蔵車で輸送、車内外の温度データを継続して取得することに成功した。今年2月には埼玉県内の日立物流拠点から岩手県内の仲卸拠点まで、実際の医薬品物流ルートで医薬品のパッケージ内にセンサーを取り付け、同じく冷蔵車内外の温度を取得し続けた。
今後は3~4月に鮮魚を漁港から柏の葉スマートシティ内のレストランやスーパーまでの長距離にわたって運ぶ際、温度と衝撃を測定し続けられるかどうかを検証する。
各者はウイルスワクチンを含む医療分野や薬品輸送、鮮魚など厳格な温度管理と衝撃の少ない輸送が求められる物流にセンサーを導入、高い品質の低温物流サービスにつなげていきたい考えだ。
無線電子タグの利用イメージ(各者プレスリリースより引用)
(藤原秀行)
詳細はコチラから(各者の共同プレスリリース)