「東京大田」でZMP製台車の自律移動を披露
プロロジスは11月8、9の両日、東京・大田区のマルチテナント型物流施設「プロロジスパーク東京大田」で内覧会を実施した。
今回は新たな試みとして、自動運転技術の開発などを手掛けるベンチャーのZMP(東京)と連携。同社製の台車型ロボット「CarriRo」(キャリロ)が人の手を借りず、施設内を自律移動するデモを参加者に披露した。
プロロジスは以前にも、千葉県印西市の「プロロジスパーク千葉ニュータウン」で、搬送ロボットの見学会を実施した。同社の内山直彦バイスプレジデント(営業推進室長)は「物流現場の人手不足が叫ばれている中、当社としても単に施設をご紹介するだけではなく、自動化・省力化につながるような、より付加価値のあるご提案をしていきたい。これからも同様の試みを検討していきたい」と狙いを語った。
内覧会では、ZMPのCarriRo事業部営業担当者が、11月末に出荷を開始する予定の自律移動が可能な新モデルを紹介。倉庫スペースの床に敷いたランドマークと呼ぶシートに描かれたマークを読み取って、自動的に前進や方向転換を行う姿をお披露目した。
既存施設リニューアルでも蓄積したノウハウで差別化
内覧会の舞台となった「プロロジスパーク東京大田」は2005年に完成した。稼働から10年以上経過したのを踏まえ、内外装を大幅にリニューアル。施設で働くスタッフ向けの共用棟「O! café(オーカフェ)」を新設したほか、エントランスを明るく開放的な感じに刷新したり、女性用洗面所に清潔なパウダールームを設けたり、LED照明を取り入れたりした。
さらに、断水時でもトイレを使えるよう水を供給できる設備を導入するなど、BCP(事業継続計画)対応を強化したことも特徴だ。内覧会でも来場者に対し、共用棟などをアピールした。
内山氏は「当社が日本で物流施設の開発と提供を始めてから来年で20年目を迎える。稼働済みの施設では順次リニューアルを進めている。既存の施設をより使いやすいものに生まれ変わらせるノウハウも蓄積している」と語った。同社は既存施設のリニューアルという面でも差別化を進めたい考えだ。
(藤原秀行)
「プロロジスパーク東京大田」(プロロジス提供)
新設された共用棟「O! café」。リラックスできるよう明るい内装にしている
お披露目された自律移動可能なタイプのキャリロ
「プロロジスパーク東京大田」で披露されたZMP製の台車型ロボット「CarriRo(キャリロ)」の自律移動デモ。床に敷かれた「ランドマーク」を自動で認識し、前進や方向転換する