コロナ禍でも輸出用機械関連などの生産拡大が追い風か、一進一退続く
帝国データバンク(TDB)が3月3日発表した2月の景気動向調査結果によると、景況感を示す業種別の景気DIは「運輸・倉庫」が31・7で、1月の前回調査から1・7ポイント上昇した。前月より改善したのは202年11月以来、3カ月ぶり。
新型コロナウイルスの感染者増加が続き、政府が緊急事態宣言を10都府県で延長したが、輸出用の機械関連や半導体、電子部品の生産拡大などが追い風になったとみられる。ただ、DIはこのところ一進一退を繰り返しており、本格的な景況感改善はまだ見通せない。
全業種ベースの景気DIも、1月から1・9ポイント上がって35・8で、3カ月ぶりのプラス。TDBは全体の先行きに関し「感染状況に伴う下振れリスクを抱えながらも、春以降、緩やかに上向いていくと見込まれる」との見解を示した。10業界の全てでDIがアップした。
運輸・倉庫業のコメントを見ると、先行きに対しては「全世界でワクチン接種が始まれば、荷動きは急速に回復する」(利用運送)、「ワクチンの接種が始まり、株価上昇も相まって物流も活発になると期待できる」(一般貨物自動車運送)など、国内でも接種が始まったコロナワクチンに期待する向きが見られた。
その一方で「先の景気に関しては1年後も厳しいと思っている」(港湾運送)といった懸念も聞かれる。
調査は2月12~28日にインターネット経由で実施、全国の1万1073社が有効回答を寄せた。回答率は46・7%。運輸・倉庫業は487社が調査に協力した。
(藤原秀行)