別の手法か、納入先建物が増える可能性も
KYBは11月15日夜、建物用の免震・制振用オイルダンパーの性能データ改ざん問題に関連し、新たに不正行為の疑いがある製品が見つかったと発表した。
同社は調査を進め、国の基準や顧客との契約に定めている基準に適合しないか、適合しない疑いのある製品を特定した場合は発表すると説明。問題の製品を納入した建物の件数が、疑いがあるものも含めて現状の974からさらに増える可能性が出てきた。
問題の波紋は全国に大きく広がっており、発覚から1カ月を迎えても収束の見通しは全く立っていない。
同社はこれまで、オイルダンパーの検査結果が国の基準などに適合していない場合、データを改ざんして許容範囲内に収めていたと説明していた。しかし、外部調査委員会の調査で、2007年以降は別の手法を用いてデータ改ざんが行われていた可能性が浮上したという。
KYBは問題製品の納入先のうち、所有者らの了承を得た建物について順次具体名を公表しているが、今月9日時点で114とまだ全体の1割程度にとどまっている。
(藤原秀行)