3月日銀短観、運輸・郵便業は大企業と中堅企業が3四半期連続改善

3月日銀短観、運輸・郵便業は大企業と中堅企業が3四半期連続改善

景況の持ち直し基調継続、コロナ禍前には及ばず

日本銀行が4月1日公表した3月の全国企業短期経済観測調査(短観)によると、企業の景況感を表した業種別の業況判断指数(DI)は運輸・郵便業(道路旅客・貨物運送業、水運業、倉庫業など)が大企業で前回調査(20年12月)から5ポイント上昇しマイナス19で、3四半期続けて改善した。

中堅企業は4ポイント上昇のマイナス39で3四半期連続の改善。中小企業も3ポイント上昇のマイナス25で2四半期続けて改善した。DIは新型コロナウイルスの感染拡大による経済情勢悪化で、一時はリーマンショック後の不景気に見舞われていた09年当時の低水準まで落ち込んでいたが、持ち直しの基調が続いている。

先行きの見方に関しては大企業がマイナス7、中堅企業がマイナス28、中小企業がマイナス24。いずれもさらに上向くとみているが、大幅な改善には至らないもよう。コロナ禍前の水準にも依然程遠い状況となっている。

業況判断DIは景況感が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた企業の割合を引いて算出。全国の運輸・郵便業など製造業、非製造業の計9478社が調査対象で、99・0%が回答した。

全産業ベースの業況判断DIは大企業製造業が前回調査から15ポイント上昇のプラス5で3四半期連続の改善を見せ、コロナ禍前の水準まで持ち直した。大企業非製造業も4ポイント上昇のマイナス1となるなど、経済活動の再開に伴い景況感の悪化に歯止めが掛かってきた。

(藤原秀行)

短観の概要はコチラから(日銀ウェブサイト)

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