【動画】パナソニックがクラウドベースで配送業務を見える化

【動画】パナソニックがクラウドベースで配送業務を見える化

ゼテス社の技術活用、12月に新サービス開始

 パナソニックは11月20日、東京都内で、物流業界向けの新たなソリューションサービスに関する記者説明会を開催した。

 2017年に買収したベルギーの物流企業支援大手ゼテス・インダストリーズの先端技術を活用。運行管理者のパソコンとトラックドライバーが持つハンドヘルド端末を連携させ、トラックや荷物の現在位置をリアルタイムで見える化し、配送業務の効率化をサポートする。

 新サービスは12月1日に提供を開始する。クラウドサーバーを使うことで利用者の初期負担を大幅に抑えるとともに、ハンドヘルド端末など必要な機材をワンストップで提供するのがポイントだ。


新サービスのイメージ図(パナソニック提供)

 ドライバーが持つハンドヘルド端末に当日の配送スケジュールを送信し、検品も端末内蔵のバーコードリーダーで行う。ドライバーが届け終わるごとに相手先から端末に電子サインをしてもらうことで、運行管理者が配送業務の進捗状況を逐次確認可能。ドライバーが運転中で問い合わせの電話に出られず所在地が分からなくなる事態を回避できる。

 仮に荷物を納めた段ボールに傷やへこみが付くといったトラブルが起きても、ハンドヘルド端末で撮影した写真を運行管理者らに送り、迅速に対応を仰ぐことができると見込む。

 サービスは初期費用としてサーバーのライセンス料が約90万円と端末1台当たり15万円。端末は1台ごとに7千円の月額使用料が別途必要だが、パナソニックはオンプレミスのシステムでは数千万円が掛かる見通しのため、大幅にコスト負担を減らせると強調している。

 説明会でパナソニックの坂元寛明コネクティッドソリューションズ常務(モバイルソリューションズ事業部長)は「ハードときめ細かいサービスに加え、当社がやや弱かったシステムの部分をゼテス社が補うことで、全体的な、まさにお客さまの課題を解決するソリューションを提供し、日本社会全体(の問題解決)に貢献していきたい」と語り、サービス普及に強い意欲を見せた。


説明会で新ソリューションの意義を強調する坂元氏

物流などの「現場プロセスイノベーション」を追求

 説明会では併せて、物流などの現場向けに提供しているハンドヘルド端末「TOUGHBOOK(タフブック)」シリーズの新商品「FZ-N1」を発表した。新ソリューションサービスにも推奨しており、2・1メートルの高さからコンクリートに落とすなど従来以上の厳しい性能試験をクリアした頑丈な作りが最大の売り物だ。

 背面にはバーコードリーダーを備えており、当初はWi-Fiモデルを今月21日に発売するほか、NTTドコモとKDDI(au)の対応モデルも来春提供を開始する予定。セキュリティー機能を高めるなどの配慮を施した。

 パナソニック モバイルコミュニケーションズの永芳洋プロジェクトマネジメント部長は「今まで以上にさまざまな現場でお使いいただける業務端末になっている。これからも多様なソリューションを提供することで、物流などの『現場プロセスイノベーション』を追求していきたい」と強調した。


新商品「FZ-N1」(パナソニック モバイルコミュニケーションズ提供)

新商品を説明する永芳氏

パナソニックの物流業界向け新ソリューション記者説明会で行われたサービス概要のプレゼンテーション。ハンドヘルド端末を駆使することで、ドライバーと荷主双方の業務を効率化できると見込む。
(藤原秀行)

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