【動画】日本郵船、バイオ燃料でシンガポール~南アフリカを試験航行

【動画】日本郵船、バイオ燃料でシンガポール~南アフリカを試験航行

2度目の成功、海運業界の脱炭素化貢献目指す

日本郵船は6月29日、ばら積み船「FRONTIER JACARANDA(フロンティア ジャカランダ)」が、世界的な鉱業会社アングロ・アメリカンと、バイオ燃料を供給する豊田通商ぺトロリアムの協力を得て、6月にシンガポール港でバイオ燃料を補油し、南アフリカのサルダナベイまでの航路で試験航行に成功したと発表した。

同社によるバイオ燃料の試験航行は、2019年にばら積み船「FRONTIER SKY」(フロンティア スカイ)がオランダ・ロッテルダム港で行って以来、2度目。

使用したバイオ燃料は、再生可能な生物由来の有機性資源(バイオマス)を原料にしている。燃焼時にCO2を排出するが、原料となる植物はCO2を吸収してバイオマスを再生産するため、相殺してCO2排出量が実質ゼロとみなされる。温室効果ガス排出量を実質的にゼロまで抑える「カーボンニュートラル」を実現する化石燃料の代替物として注目されている。

さらに、硫黄酸化物の排出が極めて少ないことから船舶燃料油の硫黄分濃度規制(※)にも対応する。

今回補油したバイオ燃料はシンガポールで収集・精製された廃食油を原料にしており、廃棄処分予定とされていたものを環境に配慮して再生・利用するため、循環型経済の構築にも対応している。

同社は世界最大の燃料補油港のシンガポール港で今後もバイオ燃料の試験運行を重ね、船舶の代替燃料への転換を加速して海運業界の脱炭素化に貢献したい考え。

(※)硫黄分濃度規制:燃料油に含まれる硫黄分含有率を 3・5%以下から 0・5%以下に厳格化する規制。


バンカリングの様子


© OpenStreetMap

(画像はプレスリリースより引用)
(ロジビズ・オンライン編集部)

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