年度内に自治体など向けのハンドブック作成
国土交通省は12月6日、災害時に支援物資を被災地へ円滑かつ迅速に輸送する体制を整えるため、有識者や物流事業者、関係省庁幹部らによる調査検討会の初会合を東京都内で開いた。
複数回の議論を踏まえ、2018年度中に地方自治体など向けのハンドブックを作成、配布して有事に備えてもらう予定。ハンドブックは災害の種類ごとに、実際に取るべきオペレーションの内容や普段から進めておく必要のある施策などを盛り込む方向で調整する。
有識者検討会の初会合
検討会のメンバーは14人で、民間から日本通運やヤマト運輸、佐川急便の担当者、全日本トラック協会や日本倉庫協会、全国災害ボランティア支援団体ネットワークの担当者と東大大学院の特任教授が参加。政府からは国交省のほか、内閣府、防衛省、総務省消防庁の幹部が出席した。
初会合の冒頭、国交省の多田浩人官房参事官(物流産業)は「今年は本当に災害対応に追われた1年だった。今後、首都直下地震や南海トラフ巨大地震などの大規模な災害が想定されているところであり、その場合に被害者の方々へ支援物資を円滑かつ確実に届けるために、検討会を立ち上げた」とあいさつ。
「避難所まで物資が的確に届いてこそ意味が出てくるものであり、避難所の手前の拠点で物資がスタックしてしまっては100点満点で0点と言わざるを得ない。とりわけラストマイルの部分にスポットを当てて議論いただきながらハンドブックを作成、活用されることを目指していく」と協力を呼び掛けた。
(藤原秀行)
あいさつする多田氏