ソフトバンク系ファンド、IoT活用の小型タグなど手掛けるイスラエルのウィリオットに200億円投資

ソフトバンク系ファンド、IoT活用の小型タグなど手掛けるイスラエルのウィリオットに200億円投資

在庫のリアルタイム把握など可能に

IoT技術を手掛けるイスラエルのスタートアップ企業Wiliot(ウィリオット)は7月27日、ソフトバンクグループ(SBG)傘下の投資ファンドSoftBank Vision Fund 2(ソフトバンク・ビジョン・ファンド2)から2億ドル(約200億円)を調達したと発表した。

ウィリオットは、センサーを利用した分だけ料金を支払う「Sensing as a Service(センシング・アズ・ア・サービス=SaaS)を提供。切手サイズの自己発電型コンピューターを活用していく考え。

ウィリオットの製品は、低コストで自己発電する小型タグ「Wiliot IoT ピクセル」と情報をリアルタイムで管理する「Wiliotクラウド」で構成。Wiliot IoT ピクセルを様々な製品やパッケージに取り付け、現在地などをWiliot クラウドで常に把握できる。集積したデータは多様な企業が活用できるよう、独自の機械学習アルゴリズムで分析している。

Wiliotクラウドなどに対応した製品やパッケージは、温度、充填レベル、動作、場所の移動、湿度、近接性を常に感知することが可能。Wiliot IoT ピクセルは、ワクチンの薬瓶や食品パッケージなどに組み込めるため、サプライチェーンにリアルタイムの透明性をもたらし、企業は初めて小売チャネル全体の在庫レベルを把握することができるようになるという。

ウィリオットはプライバシーが保護された安全なプラットフォームを提供しており、消費者が自宅でどのように製品を使用しているかを把握することもできると展望。製品は使用状況に応じて自動発注されるようになり、ブランドのビジネスモデルを変革する「サブスクリプション・エコノミー」の導入を加速すると予想している。

その結果、消費者の利便性を向上し、より新鮮で安全な食品を提供し、廃棄物や医療費の削減、環境への影響の低減を実現できるとみている。

ウィリオットのタル・タミールCEO(最高経営責任者)は「ウィリオットは、AIを活用したIoTの未来像を創造しており、その実現のためにソフトバンクに支援いただくことをうれしく思う。IoTは物を中心に作られた構想であり、ウィリオットの使命は最先端のハードウエア、AIベースのセンシング、革新的なビジネスモデルを用いて、より安全で透明性の高い世界、つまり身の回りにある全ての物が消費者のより良い生活を助け、サプライヤーが無駄を省く世界を実現することだ」とコメントした。

ウィリオットには既にNTTドコモ・ベンチャーズなども投資している。



IoTピクセルの活用イメージ(ウィリオット提供)

(藤原秀行)

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