スーパーのオーケー、関西スーパーとH2O系の経営統合に反対★詳報

スーパーのオーケー、関西スーパーとH2O系の経営統合に反対★詳報

臨時株主総会で表明へ、買収にも意欲

首都圏でディスカウントスーパーを展開するオーケー(横浜市)は9月3日朝、エイチ・ツー・オー(H2O)リテイリングが8月31日に関西を地盤とする食品スーパーの関西スーパーマーケットと、H2O傘下のイズミヤ、阪急オアシスの2社を経営統合する方針を示したことに対し、反対する意向を表明した。また、オーケーが関西スーパーを買収することにも強い意欲をのぞかせた。

オーケーは関西スーパーに7%超を出資する第3位株主。オーケーは9月3日発表した声明の中で、関西スーパーが経営統合に向けて10月末に開催する予定の臨時株主総会で反対の意向を示す考えを明言した。

今後は関西スーパーの臨時株主総会で、H2O側の提案が承認を得られるかどうかが焦点となる。

「6月にTOBを提案も、実質的な協議の場設けられず」

オーケーは声明で、今年6月に関西圏への進出の足掛かりとするため、関西スーパーへ同社の上場来最高値に相当する1株当たり2250円でTOB(株式公開買い付け)を提案。その狙いとして、オーケーが展開している「高品質・Everyday Low Price」の手法を関西スーパーへ導入することによる価格競争力の強化、商品の魅力向上や店舗改装推進、物流効率化などを図ることを列挙した。

しかし、関西スーパー側は設置した特別委員会で提案を検討してきたが、同社の経営陣とは一部役員との非公式な面談などに限られ、実質的な協議の場は設けられなかったと説明。会社側と特別委員会の双方に、自らの提案内容を正しく理解されていないとの見解を示した。

株式交換によるH2Oグループ2社との経営統合について「はたして(H2O側が提案している)株式交換取引と全ての株主に上場来最高値の2250円で株式を売却できる機会を提供できる弊社提案を、関西スーパー様の株主利益最大化の観点から公正に比較検討いただけたのか懸念している」と疑問を呈した。

また、関西スーパー側がオーケーによるTOB提案の詳細を公開してこなかったことに触れ「弊社提案の詳細は関西スーパー様の少数株主が本株式交換取引を評価する上で重要な情報であるにもかかわらず、1株当たり2250円という弊社提案価格を含む大部分の詳細情報が開示されていないことは、少数株主への開示姿勢として誠実とは言えないと考えている」などと不満をのぞかせた。

その上で「全ての株主に売却機会を提供する弊社提案の方が関西スーパー様の企業価値向上および少数株主の利益により資するものと考える」と主張、関西スーパーの臨時株主総会で株式交換に反対票を投じる予定と明らかにした。

さらに「仮に H2Oグループ様との取引が撤回される場合、関西スーパー様の取締役会が弊社提案に真にご賛同いただけることなどを前提として、1株当たり 2250 円で公開買い付けを行う意向がある」と述べ、関西スーパーに経営統合方針の見直しをアピールした。

オーケーは首都圏で131店舗を展開しており、21年3月期の連結売上高は5076億円。

(藤原秀行)

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