座長の味水流通経済大教授「スピード感を持って取り組み、成果出していきたい」と表明
物流業界の生産性向上へ機器や設備、業務手順などの標準化を推進する方策を協議する「官民物流標準化懇談会」(座長・根本敏則敬愛大教授)は9月7日、パレットなど物流機器の標準化に関する「パレット標準化推進分科会」の初会合をオンラインで開催した。
同懇談会は今年6月に発足。日本経済団体連合会(経団連)や経済同友会、日本商工会議所、物流連、JILS、日本倉庫協会などの関係団体や主要物流企業のトップ・幹部、有識者、国土交通、経済産業、農林水産の3省幹部らで構成。集中的に標準化の方策などを議論し、標準化を加速していくことを目的としている。6月の第1回会合で、まずパレットに焦点を当てた分科会を設け、先行して方策を検討していく方針を確認した。
分科会は各業界団体の幹部らが参加。手荷役の解消など物流効率化を進める上で存在感を増しているパレットについて、大きさがばらばらで輸送時に積み替えを強いられるなど、非効率が残っていることを受け、規格統一や普及促進の具体策を協議。懇談会に報告しながら具体的な政策につなげていくことを想定している。
分科会の初会合の冒頭、国交省総合政策局の岩月理浩官房審議官(公共交通・物流政策)は「根本的な課題について議論・検討し、合意した内容を強力に推進する体制を構築すべく真剣に取り組んでいきたい」と表明。
経産省商務・サービスグループの中野剛志物流企画室長は「物流の需給バランスの逼迫は今後、日本経済の深刻なボトルネックになる恐れがあり、解消には物流事業者と荷主事業者、政府がお互いに協力していく必要がある。特に荷主企業の経営層へ積極的に働き掛けていきたい」と語った。
分科会の座長に選出された味水佑毅流通経済大流通情報学部教授は「パレット標準化は古くて新しいテーマ。関わる民間企業も多数いらっしゃる中、企業の事情や状況はさまざまでなかなか難しい局面もあるだろうが、スピード感を持ってできることに取り組み、成果を出していきたい」と意欲を示した。
(藤原秀行)