鈴与、請求書支払処理業務の効率化支援する「仕訳支援クラウド」を開始

鈴与、請求書支払処理業務の効率化支援する「仕訳支援クラウド」を開始

支払い処理に必要なデータへ自動変換、入力の手間解消見込む

鈴与は9月8日、経理担当者の請求書支払処理業務の効率化をサポートするサービス「仕訳支援クラウド」の提供を開始したと発表した。

請求書支払処理のプロセスで従来は担当者が目視で判断していた業務を標準化・自動化するが可能になると見込む。

新サービスは、請求書支払処理業務を効率化したいという顧客のニーズを捉え、グループ会社のアライズイノベーションがAIを活用して画像から文字を認識しデータ化できる「AI-OCR」と、独自開発した「仕訳システム」を組み合わせて提供する。

一般的に請求書支払処理業務は、受領した請求書から、自社の会計システムに登録してある取引先コードや勘定科目コードなどを判断する作業を伴うため、どの企業においても入力・確認作業に時間を要する。また、取引先ごとに異なる処理が必要になる場合も多く、業務の属人化につながりやすいため、担当変更時の作業品質維持が困難であるという課題も抱えている。

多くの企業がOCRやRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)を活用した効率化を図ってきたが、従来のサービスは請求書明細単位のデータ取得が困難なため、担当者が目視で判断する業務が残ってしまいプロセス全体を自動化できず、効率化や属人化の排除という課題を解消できていないのが実情。

新サービスはPDF化した請求書をシステムに読み込ませれば、AI-OCRと「仕訳システム」によって必要となる情報を自動抽出。取引先コード・勘定科目・税区分・摘要といった支払い処理に必要なデータに自動変換する。経理担当者の入力作業を無くし、内容確認に集中できるため処理作業の効率化と担当者による業務品質の平準化につながると見込む。請求の重複、発注した内容との相違、請求金額の大幅な変動などをチェックする機能も備え、目視で判断していた業務を自動的にこなすため、業務の省力化につながる。

例えばレンタカー・カーシェアリング業界は、取り引き先ごとに形式の異なる請求明細書が、車両ごとに発行されるため、請求書の枚数が多く、細かな確認をしながらの入力作業が必要。新サービスは効率化・省力化の高い効果を見込めるとみている。

経理のシェアードサービス事業者は、毎月発生する膨大なチェック作業に対応するため、その時期だけ多くの人員を配置している場合がある。新サービスを生かせば、仕訳システムのチェック機能が目視で判断する業務を解消するため、省力化とプロセス全体の自動化を推進できると想定している。鈴与グループはテレワークの推進にもつながると強調している。


サービスの概要


サービス画面のイメージ(いずれも鈴与提供)

(藤原秀行)

             

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