22~24年度にコンビニ店舗配送へ投入し実証、実用化目指す
伊藤忠商事は9月21日、バッテリー交換式EV(電気自動車)トラックと搭載するバッテリーパック、バッテリーパック交換ステーションの共同開発に乗り出すと発表した。
同社といすゞ自動車、JFEエンジニアリング、自動車の改造部品大手エッチ・ケー・エス(HKS)、ファミリーマートの4社が連携。商用車のEV化を促進し、物流網の脱炭素化を後押しするのが狙い。環境省の公募事業に応募、採択された。
国内の全CO2排出量の約4割は運輸部門が占め、温室効果ガス排出抑制へ物流網の脱炭素化が強く求められている。しかし、EVは航続距離や充電時間、充電インフラ、価格に課題を抱え、特に稼働時間の長い商用車はバッテリーの充電に一定の時間を要するため充電器の運用に難があり、商用車のEV化が乗用車ほど進んでいないのが実態。
政府が掲げている2050年までの温室効果ガス実質ゼロ「カーボンニュートラル」の目標達成には再生可能エネルギーを最大限に利用することが不可欠だが、蓄電機能が高価で普及はいまだ限定的。地域の防災施設なども非常用電源が必須だが、コスト低減が求められている。
各社は開発に向けた実証事業として、2022年度下旬から24年度末までの間、ファミリーマートの配送車としてバッテリー交換式EVトラックを運用。埼玉県三郷市の「三郷中央定温センター」から各ファミリーマート店舗までの配送に投入し、CO2排出削減の効果などを見極める予定。
伊藤忠がプロジェクト全体の調整役を担い、いすゞがトラック、JEFエンジがバッテリー交換ステーション、HKSがバッテリーパックをそれぞれ開発。ファミリーマートが実証実験の場提供などを担う。
(藤原秀行)