アマゾンジャパンのチャン社長が自社イベントで講演、物流面などの対応拡充アピール
アマゾンジャパンのジャスパー・チャン社長は10月5日、オンラインで開催した大規模イベント「AmazonECサミット」の冒頭、基調講演を行った。
チャン社長は、同社のインターネット通販サービス「マーケットプレイス」を利用する中小の販売事業者が着実に増加していると説明。「アマゾンは成長を支援するために世界で最高のサービスを提供することを目指している。中小企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)を今まで以上に支援する役割を果たしていきたい」と語り、今後も中小規模の販売事業者が出品しやすくなるよう配送サービスの拡充などに努める姿勢を強調した。
基調講演するチェン社長(アマゾンジャパン提供の動画画面をキャプチャー)
チャン社長は、数年前に販売事業者の出品分の流通総額が、アマゾン自身が仕入れて商品を販売する分を超えたことに言及。取扱量が増えていることを歓迎する一方で「人員にも限界が出てくる。カスタマーサービスも中小規模の販売事業者が24時間・365日体制で続けるのは難しい」と語り、アマゾンが入出荷や在庫管理など物流を包括的にサポートする「フルフィルメントbyAmazon(FBA)」の意義をアピールした。
その上で、「FBAは中小企業向けとも言える、当社にとって戦略的なプログラム。日本でも中小規模の販売事業者8万社以上が利用されている」と述べ、幅広い事業者に一層の利用を働き掛けた。
チャン社長は、日本では2010~19年に2・7兆円を投資し、ネット通販のサービス基盤強化に努めてきたとPR。物流についても、全国で20カ所以上の大型拠点を展開し、一部ではロボットを導入して作業効率化向上を図っていることに言及した。
また、国内にとどまらず、海外への販路開拓のサポートにも力を入れていると表明。「素晴らしい日本の商品を世界中にお届けできるサービスを続けていきたい」と力を込めた。
(藤原秀行)