大規模開発の「フェーズ2」1棟目、危険物倉庫併設し23年3月竣工見込む
プロロジスは10月14日、茨城県古河市でマルチテナント型物流施設「プロロジスパーク古河4」を開発すると発表した。
同社は古河市で、大型の物流施設開発プロジェクトを進めており、開発地の北東隣では「プロロジス古河プロジェクト フェーズ1」として、合計約10万6000平方メートルの敷地に3つのBTS型物流施設「プロロジスパーク古河1・2・3」が稼働している。「古河4」は「フェーズ2」の1棟目となる。
「フェーズ2」の敷地面積は約17万5200平方メートルに及び、このうち「古河4」は約6万8000平方メートルに建設する。2棟目以降はBTS型物流施設となる予定。
「古河4」は地上3階建て、延べ床面積は約12万1000平方メートルを計画。2023年3月末の竣工を見込む。ワンフロア最大9000坪(約3万平方メートル㎡)での効率的なオペレーションが可能な設計を採用。大規模なマテハン導入・自動化にも対応する。
「古河4」の完成イメージ(プロロジスプレスリリースより引用)
主要都市・港・空港まで1時間で到達可能な立地
施設の南北2カ所にスロープを設け、1・2階は約140メートル×210メートルのフロアに両面バースを備える計画。3階は約170メートル×240メートルの大平面を確保する。
2・3階は、保管効率を重視したメゾネット形式とし、梁下有効高6・3~最大8・6メートルを確保。日用雑貨・消費財などの高積みやラック4段積みも可能となり、一般的な5・5メートルの天井高に比べて保管効率が格段に向上すると見込む。施設全体で最大6企業の入居に対応し、最小賃貸面積は3700坪(約1万2200平方メートル)から利用できるようにする。
安全な保管場所の需要が急増している化粧品やアルコール類などの取り扱いが可能な小型倉庫を敷地内に併設。工業専用地域の特性を活用し、様々な業種・用途の物流需要を受け入れられる体制を整える。
BCPの観点から、非常時の発電機燃料としてオイルタンクを備える予定。防災センターや入居企業の事務所エリアなどへ最大約7日分の電力供給が可能になる見込み。備蓄燃料は震災などで停電が起きた場合に施設入居企業へ提供するほか、プロロジスが運営する周辺の物流施設への移送も想定している。さらに、断水時にも約30日間トイレが使用できるよう給水設備を整える。
ESG(環境・社会・企業統治)投資推進の取り組みから環境負荷軽減にも配慮し、倉庫内への人感センサー付きLED照明の設置や、屋根面には約3メガワットの太陽光発電を備える予定。
「古河4」は圏央道の五霞IC、境古河ICからいずれも約10分のエリアに位置する北利根工業団地内に開発。関東地方のほぼ中央に位置し、国道・高速道路を利用して、東西南北の主要都市・港・空港まで約1時間で到達可能。東北道からダイレクトにつながる埼玉県の加須エリアからも約10キロメートルと近接するなど、関東全域のみならず東日本における広域配送拠点として強みを持つ。
圏央道から接続する東名・中央・関越・東北・常磐・東関東の各高速道路・自動車道も利用しやすく、東北方面や関西方面へのアクセスも容易なのが強み。
開発予定地は東北道と並走する新4号国道から至近(約3分)に立地。新4号国道は古河エリアから国道16号に接続する庄和ICまでの全区間が片道4車線以上に整備され、都心部方面へのアクセス利便性にも優れている。
(藤原秀行)