大和ハウス・浦川氏、物流施設デベロッパーとして「フィジカルインターネット」実現に意欲

大和ハウス・浦川氏、物流施設デベロッパーとして「フィジカルインターネット」実現に意欲

競合と優れたサービス共有など推進

大和ハウス工業の浦川竜哉取締役常務執行役員は10月26日、千葉県流山市で開いた物流施設「DPL流山Ⅳ」の竣工記念式典後に記者会見した。

浦川氏は、物流施設デベロッパーとして、世界を大きく変えたインターネットの形を物流の世界で再現し、業務効率化や省人化などを図る考え方「フィジカルインターネット」へどう対応していくのかを問われたのに対し、不動産の業界団体・不動産協会の中で主要な物流施設デベロッパー20社超が参加している「物流事業委員会」の活動に言及。同社と他のデベロッパーで連携し、物流施設の自動化促進などに取り組んでいると明らかにするとともに、今後も優れたサービスを競合間で共有、物流施設の機能向上などを推し進めていくことに強い意欲を見せた。

同委員会はプロロジスの山田御酒社長が委員長を務め、大和ハウス工業と三井不動産、野村不動産が副委員長を輩出している。

フィジカルインターネットは、ネットが各地の通信設備や回線を利用者間で共有することにより情報を瞬時にやり取りできるようになったのを踏まえ、トラックや倉庫、パレットといった物流のフィジカル(物理的)な要素をあらゆる事業者や利用者が共有。その都度最適なアセットを使えるようにし、輸送・保管効率向上などにつなげることを想定している。

浦川氏はフィジカルインターネットのアセット共有などの理念を念頭に、「お互いに(優れたサービスなどを)シェアリングしていく、業界の垣根を超えて自動化の効率を上げていくことをやっている」と説明。一例として、スタートアップ企業のHacobuが展開しているトラックの予約・受付システムを4社が自社開発の物流施設に順次採用していることに触れ、「これからも(フィジカルインターネットの実現へ)積極的に取り組んでいきたい」と語り、他の委員会メンバーにも参加を呼び掛けていく姿勢を見せた。

浦川氏はまた、同社が全国で開発を進めてきた郊外型戸建て住宅団地の再生事業に物流施設を組み合わせ、地域の雇用創出や経済活性化、土地の有効活用につなげようと企画していることをあらためて紹介。着実に成果を挙げていきたいとの意向をのぞかせた。


「DPL流山Ⅳ」の竣工記念式典であいさつする浦川氏

(藤原秀行)

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