【動画】500ccエンジン搭載の産業用大型ドローンを開発

【動画】500ccエンジン搭載の産業用大型ドローンを開発

静岡・浜松のアラセ・アイザワ・アエロスパシアル、自動給油機能付き格納庫なども実現

ドローンの開発などを手掛けるアラセ・アイザワ・アエロスパシアル(AAA、静岡県浜松市)は10月26日、産業用途に特化した500㏄エンジン搭載の大型ドローン「AZ-500」を開発したと発表した。

同日、浜松市内の天竜川河口で初飛行に成功した。10月27日からの「第4回名古屋ロボデックス」に初号機「AZ-500」や格納庫などを出展する。

機体の開発に合わせて自動給油機能が付いた格納庫や、仮想空間で動きを再現する「デジタルツイン」技術を駆使した自律航行システムを一体設計することで、人間が介在せず自律的に仕事を続ける「空飛ぶ産業用ロボット」のベースマシン「The Drone Basics for Industries」の確立を図る。

AZ-500は高性能な二輪エンジン技術を応用して、ドローンの専用エンジンを新規に設計。開発したAZ-500のエンジン「國男」の型式は油冷式500㏄。ジャイロ効果キャンセル構造(特許取得済み)の独自設計でエンジン本体の無振動化を実現した。エンジン本体から4本のローターシャフトを腕のように伸ばし、エンジンのパワーを失わずに直駆動でプロペラに伝えるクアッド型マルチコプターを機体形式として活用。姿勢制御はプロペラの角度を調整して行う可変ピッチ方式にした。

機体重量は100キログラム、ペイロード(積載可能重量)は50キログラム未満で、ドローンの最大離陸重量の規制にぎりぎり収まる最大級のスケールを達成した。ペイロードを使用しない連続航行時間は5時間以上とみている。

格納庫の「The Port」からAZ-500が飛び立ち、仕事が終われば帰還することを想定。格納庫は車でけん引して、建設現場など所定の場所に運び込めるようにしている。自動給油機能やIoTを駆使した機体の自動点検機能を備え、一定の期間、人の手を一切煩わせず空飛ぶ仕事を繰り返せると見込む。

AAAは會澤高圧コンクリート(北海道苫小牧市)を中核とするアイザワグループの代表を務める會澤祥弘氏と、元スズキの二輪エンジンデザイナー、荒瀬国男氏が昨年8月、共同出資で設立した。


AZ-500の機体


The Port


會澤氏(左)と荒瀬氏(いずれも會澤高圧コンクリート提供)

(藤原秀行)

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