3・5万平方メートル、独自の3庭園整備し働きやすい環境確保へ
総合不動産事業に参入したアライプロバンスは10月28日、千葉県浦安市で建設を進めてきた初の自社開発物流施設「アライプロバンス浦安」の竣工記念式典を現地で開催した。
同施設は鉄骨造の地上4階建て、延べ床面積は3万4598平方メートル。東京ディズニーリゾートに程近い同市港地区で、鉄鋼の流通・加工に特化した産業団地「浦安鉄鋼団地」の一角に立地している。同市内では2008年以来、13年ぶりの供給となる大型賃貸倉庫だ。現時点で日通・NPロジスティクスが賃貸面積の50%程度を利用することが決まっているという。
「アライプロバンス浦安」の外観
首都高速道路湾岸線の浦安ICから約3キロメートルに位置し、東京外環自動車道に接続できる高野JCTへは約9キロメートル。JR京葉線の新浦安駅から約3キロメートル、舞浜駅から約3・5キロメートル。東京駅からは20キロメートル圏内にあり、都心をはじめ首都圏の広域をカバーできる物流拠点になると見込む。
自転車通勤の約15分圏内には住宅地が広がり、労働力確保の面でも強みを持つとみられる。
大きな特徴として、外構部に自然を模した独自の庭園を3カ所整備、季節に応じて植栽が彩を変えたり、海を臨めるようにしたりと施設で働く従業員がリラックスできる空間を確保することを予定している。
デザインはルイ・ヴィトンのポップアップショップなどの設計を手掛けてきた著名なデザイナー・建築家の菅原大輔氏が担当。アライプロバンスは「工業団地の風景を更新する物流倉庫」を実現し、優れたデザインを持つ製品や建築物などに贈られるグッドデザイン賞の獲得を目指している。
他にも、建物の正面入り口付近にバス待合所を設けるなど、働きやすい環境の整備に努めている。
機能面では、建物の1階と2階のバースへそれぞれ別の動線でトラックが直接乗り入れられる設計を採用。天候に関わらず円滑に荷さばきを行えるよう配慮している。2階は建物正面のスロープから直接アクセスできる。
1階は防火区画を最大限防火シャッターでカバーし、防火機能を損なわないまま仕切りを減らして柔軟に庫内を活用できるよう整備。上下搬送機を各エリアに設け、どのようにフロアを分割しても基本的に必ず上下方向への搬送機を使えるようにした。太陽光発電パネルの設置やLED照明の導入なども進めている。
庫内
建物前では庭園の整備が進む
庭園「海の庭」からの景色
テープカットに臨むアライプロバンスの新井嘉喜雄社長(左から4人目)ら関係者
(川本真希、藤原秀行)