コロナ禍でイレギュラー対応可能な体制整備に注力優先
近鉄エクスプレスは11月10日、2021年9月中間連結決算の説明記者会見をオンラインで開催した。
鳥居伸年社長は、新型コロナウイルスの感染拡大からの世界経済回復などの影響で輸送需要の盛り上がりと航空・海上輸送のスペース不足が続いていることに関し「下期も上期と同じような状況が続くのではないか」との見方を明らかにした。
同社は22年3月期の連結業績予想に関し、運賃原価や販売価格の上昇を踏まえ、営業収入(売上高に相当)を従来の6300億円から8800億円、営業利益は317億円から500億円と大幅に引き上げた。
鳥居社長は、22年度(23年3月期)から次期中期経営計画がスタートすることに関連し、世界経済の動向が不透明な現況を踏まえつつ「異常な状況があと2年は続き、3年後には“アフターコロナ”で19年と同じ状況に戻ると想定して計画を立てようと思っている。2年間についてはスペース供給量が以前のように戻ってくるか、見込みが立たない。そこが一番の課題になる」と説明。
人手不足やコロナ禍を受けた“非接触・非対面”のニーズが高まっていることを受けた自動化・省人化への対応については「コロナ禍では日々イレギュラーが連発しており、自動化できる業務は限られてきている。もちろん将来に向けて取り組んではいるが、異常事態の対応としてはいかにイレギュラーへ対応できる体制を整えるかが非常に重要」と語り、当面は航空輸送スペースの確保や代替輸送ルートの確立などが優先課題になるとの認識を示した。
(藤原秀行)