年明け以降、自動運転による配送など実現で制度見直し加速
政府は11月16日、行政機関や民間企業の業務デジタル化を促進するための適切な規制や制度の在り方を議論する「デジタル臨時行政調査会」(臨調、会長・岸田文雄首相)の初会合を首相官邸で開いた。
今年末までに、規制・制度改革の基本的な指針となる「デジタル原則」を策定するとともに、2022年春をめどに一括的な規制見直しのプランを取りまとめる方針を確認した。
岸田首相は会合で、22年の年明けから関連する制度の見直しを加速させていく方針を表明。「インフラなどの保安規制や定期検査の見直し、学修者の習熟度に応じた教育の実現、自動運転の実装化による配送や高齢者の送迎に向けた制度見直しなど、規制する側、規制される側、国民の皆さんから歓迎される三方良しの制度見直しを実現していく」との決意を述べた。
会合で発言する岸田首相。左隣は牧島デジタル相(首相官邸ホームページより引用)
デジタル臨調は政府側から岸田首相と牧島かれんデジタル相、松野博一官房長官ら関係閣僚5人の計6人、地方・民間側から有識者として十倉雅和日本経済団体連合会(経団連)会長、髙島宗一郎福岡市長、南場智子ディー・エヌ・エー(DeNA)会長、“日本のインターネットの父”とも呼ばれる村井純慶応義塾大学教授、NTTドコモ出身で日本初の携帯電話によるネット接続サービス「iモード」立ち上げに携わった夏野剛KADOKAWA社長ら8人が参加。改革の議論に民間の視点を取り入れることを意図している。
同日の初会合では、有識者からの意見を踏まえ、即時に取り組む項目として、新型コロナウイルスワクチン接種を円滑に進めるため、引っ越した際に自治体間で接種記録を共有できるようにすることや、子供を虐待や貧困から守るために児童相談所や地方自治体といった関係機関が情報を速やかに集約できる基盤を整備することなどを決めた。
(藤原秀行)