途上国が反対、現行より野心的な内容設定では合意
国土交通省は11月29日、国際海運からの温室効果ガス(GHG)排出削減に関する新たな目標を議論するため、国際海事機関(IMO)が11月22~26日に開催した第77回海洋環境保護委員会の結果を公表した。
日本が米国や英国、ノルウェー、コスタリカと共同で求めた、2050年までにGHGの排出を実質的にゼロとする「カーボンニュートラル」を世界共通の目標とするとの提案は、多くの国が支持する一方、途上国からの反対が根強く、採択は見送られた。先進国の一部からも、時間が足りないことを理由に、議論に多くの時間を割くべきではないとの意見が示された。
併せて、新たな目標については、18年にIMOが採択した「50年までに08年比で50%以上削減」などを打ち出している現行のものよりさらに野心的なものを設定することで合意した。
同委ではこのほか、世界的に問題視されている海洋プラスチックごみの対策を国際海運領域で強化することなどで一致した。
(藤原秀行)