日本での実現へ知見蓄積狙い
ドローン関連事業を手掛ける企業を支援するベンチャーキャピタル(VC)のDRONE FUNDは12月10日、昨年5月に組成した3号ファンド(DRONE FUND3号投資事業有限責任組合)が、米カリフォルニアでドローン配送を手掛けるMatternet(マターネット)に出資したと発表した。具体的な投資額は開示していない。
Matternetは2011年設立。ドローンを用いて医療品配送サービスを提供しており、1万5000回以上の商用ドローンの飛行を実現してきた。
同社のM2ドローンは時速70キロメートル以上でポイント・ツー・ポイントによって飛行、配送時間を陸送より最大70%短縮できると見込む。患者ケアの向上や分散した医療インフラの統合、医療サプライチェーンの合理化などの大きな効果を期待できる。
今年9月にスイスで商業的に展開されたドローン専用着陸設備(ドローンポート)のMatternet Station(マターネットステーション)はドローンへの荷物積み込みと保管に加えて、精密な着陸と離陸を自律的に行うことが可能。
Matternetは現在、スイスポストやUPSなど大手物流企業と連携、スイスと米国で事業を展開している。2022年にはドイツとアラブ首長国連邦(UAE)でも常設事業を開始する予定。
DRONE FUNDはMatternetに投資することで、日本のドローン物流加速につながる知見を蓄積していきたい考えだ。
ドローンの飛行イメージ
Matternet Station(いずれもDRONE FUND提供)
(藤原秀行)