出資し子会社化を検討、東証ジャスダック上場廃止も視野
経営不振で債務超過に陥っている佐渡汽船に対し、公共交通事業の収益改善を手掛けるみちのりホールディングス(HD、東京都千代田区丸の内)が救済に乗り出す方向で調整していることが分かった。
みちのりHDが佐渡汽船に出資、子会社化する検討を進めており、佐渡汽船が東京証券取引所ジャスダックの上場を廃止することも視野に入れている。
佐渡汽船は新型コロナウイルスの感染拡大などが響き、佐渡島と本土を結ぶ船便の利用が低迷。2021年12月期まで3年連続で最終赤字になる見通しで、債務超過に陥っている。
みちのりHDはダイエーや日本航空(JAL)の再建などに携わってきた経営コンサルタントの冨山和彦氏らが参加している経営共創基盤が09年に立ち上げた。これまでに地方のバス会社の再建などで成果を挙げており、佐渡汽船も地方の重要な公共交通として経営継続を後押ししたい考え。
佐渡汽船は2月4日朝、みちのりHDが佐渡汽船支援に乗り出すとの日本経済新聞の報道を受け「本件について検討していることは事実。今後、開示すべき事項が発生した場合は速やかに公表する」とのコメントを発表した。
(藤原秀行)