6月ごろめどに近隣で代替拠点立ち上げへ
日立物流は1月31日、2022年3月期第3四半期決算の電話会見をアナリスト・機関投資家向け、メディア向けにそれぞれ開催した。
この中で、日立物流西日本が大阪市此花区の舞洲エリアに構えていた倉庫で発生した火災に関し、林伸和執行役専務は「(当該倉庫を)建て替えるかどうかは家主(賃貸人)さんの判断になると思うが、おそらく建て替えざるを得ないのではないか。保険のサーベイ(調査)など終わった後に対応されるのではないか」との見通しを示した。
大阪市消防局によれば、当該倉庫は延べ床面積の約7割に相当する約3万8000平方メートルが焼損した。
林氏はまた、今後の倉庫における防火対応として、訓練の徹底や消火器の配備、消火栓の周知などに努めると説明。「煙が怖いので、自動消火できるロボットのようなものも考えていく」と語った。
日立物流によると、現在は複数の拠点で出荷などのオペレーションを展開しており、今年の6月ごろをめどに当該倉庫の近隣に代替拠点を立ち上げる予定。
火災に関連する費用として、第3四半期(21年10~12月)に売上原価で主に関東から西日本エリアへ出荷している輸配送コストなどを12月分として約2億円計上。同社は「関西地区に代替拠点が稼働するまで当面発生してくると思われる」とみており、第4四半期(22年1~3月)にも6億円程度発生すると見込んでいる。併せて、倉庫近隣の事業者らへの対応費用などが営業外費用として発生する可能性があるという。
火災関連の損失は、第3四半期で自社の固定資産産滅却損や従業員・近隣事業者らへの補償などで約 1.2 億円を計上。同社は「保険は建屋については家主(賃貸人)が付保しているが、保管していた顧客製品などの損害はそれぞれ保険での処理を検討しており、各顧客との契約に基づいて対応することになる」と解説している。
火災の起きた倉庫(昨年12月撮影)
(藤原秀行)