関連書類電子化、22年中の実現目指す
貿易に関する各種情報の一元的な管理が可能な貿易情報連携プラットフォーム(PF)「TradeWaltz」を運営するトレードワルツは2月10日、「日本貿易PF ”TradeWaltz”とタイ貿易PF “NDTP(National Digital Trade Platform)” のシステム連携計画」について、1月14日付で合意書(TOR)に署名したと発表した。
国家間で貿易PFの連携を推進することは、アジア太平洋経済協力会議(APEC)や東南アジア諸国連合(ASEAN)でも提唱されているほか、経済産業省のアジア未来投資イニシアティブでも紹介されている。
貿易業務はいまだ紙の書類が多く残っており、アジア地域を中心に長時間就労や新型コロナウイルスの感染拡大下でのリモートワーク普及遅れの一因となっている。その解決手段として過去44~60%の業務効率化やリモートワークの促進が実証結果として証明された貿易PFの導入が各国で加速している。
業務を一段と効率化するためには、貿易相手国まで含めた広範囲の業務を電子化することが必須で、そのためには国家間の貿易PF連携が不可欠。サプライチェーンの稼働状況可視化が進み、コロナ禍などの有事に必要な物品の検索や代替物流ルートの計画なども容易になることから、サプライチェーンの強靭化が見込まれる。
昨年のAPECでトレードワルツは、国家間の貿易PF接続プロジェクトをタイ・シンガポール・豪州・ニュージーランドの4カ国と進めていると発表した。
22年に実現を目指す日タイ両国の貿易PF接続箇所については下記を予定しており、デジタル船荷証券部分(eBL)に関しては、IBMとマースクが合弁で展開しているサービス「TradeLens(トレードレンズ)」を活用することを検討している。
対象書類 | 実現方法 |
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Purchase Order, Packing List, Invoice | TradeWaltz-NDTP直接連携 |
Bill of Lading(船荷証券 | TradeLens eBLを活用し、TradeWaltzとNDTPに情報連携 |
(写真はトレードワルツ提供)
(藤原秀行)