大学のサッカー部やラグビー場は食料、セイノーHDやエアロネクストなどが新たなモデル確立視野
セイノーホールディングス(HD)とエアロネクスト、NEXT DELIVERY、住友商事は2月15日、千葉県勝浦市で2月9~11日に実施したドローン配送実証実験の概要を発表した。
勝浦市や勝浦市商工会の協力を得て、地元商店街の商品を別荘地や大学、小学校、寺、民宿、漁港など、地域の施設に配送し、「買い物難民」問題解決と商店街活性化を図る「地域商店街との密着型ドローン物流」のモデルケースにすることを念頭に置いていると説明。
地域商店街の食料品や日用品の詰め合わせセット、勝浦タンタンメンやお寿司といった出前セット、災害時備蓄品を仮設の荷物発送拠点「ドローンデポ」2カ所から住宅地「ミレーニア勝浦」や国際武道大学、豊浜小学校などに置いた仮設の専用受け取り場所「ドローンスタンド」6カ所まで、ドローンで届けた。距離は往復で約1.6~4.6キロメートル。雨天でドローンが飛べない場合はトラックで配達した。
2月11日の配送は報道関係者に公開。勝浦タンタンメンセットが、約5分間で市内の興津集会所からミレーニア勝浦管理センター前までの片道約1.7キロメートルを空輸。熱々の状態で汁をこぼさず無事に届けた。公開後はミレーニア勝浦の住民に食料・日用品セットの配送やフードデリバリーを実施した。
2月9日は国際武道大学のサッカー場で練習中のサッカー部員に向けてバナナなどの食料を、ラグビー場には学生向けの食料・日用品セットや市役所の災害時備品・備蓄食料をドローンで輸送。豊浜小学校の生徒たちにはバレンタインデーのチョコレートをドローンで届け、生徒たちから大きな歓声が挙がったという。
各社は商店街に荷物を集約化する「ドローンデポ」を設置するとともに、セイノーHDとエアロネクスト、NEXT DELIVERYが展開している、ドローンなどを組み合わせて地域の物流ネットワーク維持・強化を図る「SkyHub(スカイハブ)」のノウハウを生かし、ドローン配送と陸上配送を組み合わせた荷物配送、買物代行、域内配送、フードデリバリーといったサービスの検討を開始。ドローン配送の「勝浦モデル」確立を視野に入れる。
ミレーニア勝浦へのドローン配送の様子
国際武道大学ラグビー場にドローン配送された災害備蓄品
豊浜小学校の生徒たちへバレンタインチョコレートを届けたドローンと記念撮影(いずれも各社提供)
(藤原秀行)