プーチン大統領が独立承認地域の関係者ビザ発給禁止など
岸田文雄首相は2月23日午前、首相公邸で記者団に対し、ロシアのプーチン大統領がウクライナ東部で親ロシア派勢力が実効支配している地域の独立を一方的に承認し、この地域へロシア軍の派兵を決めたことを受け、ロシアに対して日本独自の制裁措置を実施する方針を明らかにした。既に欧米諸国が相次ぎ経済・金融制裁の措置を発表しているのに足並みを合わせる。
具体的には、プーチン大統領が独立を承認した、親ロシア派勢力が支配している地域の関係者の査証(ビザ)発給停止と日本国内の資産凍結、この地域との輸出入の禁止、ロシア政府による新たなソブリン債(国債や政府機関債など)の日本における発行・流通の禁止など。今後、詳細を決定し、必要な手続きを進める。
独立を承認した地域との輸出入取引量は限定的とみられることなどから、今回の措置はウクライナへの強圧的な姿勢を取るロシアの行動をけん制することが主眼とみられる。欧米諸国と連携している姿勢を国内外に強くアピールする狙いもある。
岸田首相は「事態は緊迫度を増しており、引き続き、重大な懸念を持って注視していく」と表明。ロシアの動向によっては、G7(先進7カ国)とも連携してさらに踏み込んだ措置を講じる考えを示した。併せて、ウクライナ在留邦人の安全確保に全力を挙げる方針を強調した。
(藤原秀行)