試飲用サンプルなどにも対応
地域産品の販売促進を手掛けるアイディーテンジャパンは3月14日、日本酒・焼酎の海外小口空輸配送サービス「Japanpage:Delivery(ジャパンページ・デリバリー)サービス」を同日、EU(欧州連合)市場向けに開始すると発表した。
同社は昨年秋、受注から国際配送までをトータルで請け負うBtoC向け越境ECサービス「Japanpage:Sake」をリリースした。今回スタートする「Japanpage:Deliveryサービス」は、これまでに実証した50カ国への配送実績、破損がない自主企画の梱包材などを生かし、「Japanpage:Sake」登録以外の日本酒・焼酎を対象に加える。
併せて、EU市場の販売促進活動を強化するため、フランスで日本産酒類の流通・販売を行うGalerie K Paris(パリ)とパートナーシップを締結した。
※以下、プレスリリースより引用(一部、編集部で修正)
日本産酒類の海外輸出における課題
日本酒造組合中央会の発表によると、2021年の日本酒輸出総額は401.78億円となり、過去最高額を達成した。世界中が新型コロナウイルス感染症の拡大にあえぐ近年も日本産酒類は海外市場で着実にファンを増やしている。
一方で、イベント用の商品を送る、試飲用のサンプル品を送る、小口注文に応えるといった、小ロット数の商品を届けるロジスティックスにはいまだに課題が多い。対象国ごとに1回当たりの最低本数や輸出入に必要な書類作成を理解し、破損リスクが小さい梱包にも対応しなければならない。
小口空輸配送を仕組み化する
同社のリサーチでは、輸出のボトルネックの1つとして、輸出入に必要な書類作成に時間を要していることが分かった。書類作成を誤ったために現地通関を通ることができず、自己負担で商品を戻す、または破棄を選択されされるなど、苦い経験をしている事例が多く見られた。
同社は、越境ECサービス「Japanpage:Sake」のベータ版リリースに向け、海外向けの小口空輸配送をサービスとして提供する準備を進めてきた。並行して、コロナ禍でオンライン商談会のための事前商品配送、イベント用の小ロット多品種の配送、アルコール度数40度を超える焼酎の空輸配送など、さまざまな要望に対応してきた。
「Japanpage:Sake」は、特定の条件に該当する酒造メーカーの中から、独自の審査を通過した酒蔵のみが参加できる。しかし、多くの酒造メーカーや組合、諸団体からの要望に応えるため、「Japanpage:Sake」で取り扱いのない日本酒・焼酎も対象とした小口空輸配送サービス「Japanpage:Deliveryサービス」を始めることにした。
事前に事業者・商品情報を登録するだけで利用可能
輸出の手続きをスムーズにするためには、事前に事業者や商品情報の登録が必要。そのため、Japanpage:Deliveryサービスは、同社が運営する日本産酒類のコンテンツマネジメントシステム「Japanpage:Home」のオプションサービスとして開始する。
Japanpage:Homeは、輸出やマーケティングに必要な酒蔵や商品情報を一元管理する無料ツール。Japanpage:Deliveryサービスの利用を希望の場合は、Japanpage:Homeのアカウントを取得し、事前に事業者・商品情報を登録する。登録費用は無料。
利用者がJapanpage:Deliveryサービスを利用するために必要なことは、
1) 事前に事業者・商品情報を登録
2) 国内の指定住所に商品を配送
――のみとなる。国際配送のための梱包や輸出入に必要な書類作成は一切不要。
EU向け小口空輸配送は10日〜14日間で到着。6本総額31,800円~
Japanpage:Deliveryサービスの料金は、「配送費用一式」および「税金」の総額。配送費用一式には、専用梱包材、梱包作業、輸出入書類作成、輸出入作業、国際空輸、現地配送費用が含まれる。税金は商品価格および配送料金が課税対象として算出される。EU向けは一律同額の料金体系となる。
下記はサンプルとしてEU諸国に配送する場合の「配送費用一式」および「税金」の総額例。
6本 (7.2kg) 31,800円 – 33,600円
12本 (12kg) 40,000円 – 42,300円
24本 (40.8kg) 84,300円 – 89,100円
36本 (43.2kg) 93,700円 – 99,100円
60本 (72kg) 147,200円 – 154,200円
(画像はアイディーテンジャパン提供)
(ロジビズ・オンライン編集部)