長期ビジョンと新中計公表、宅配は1個当たり単価を現状水準から維持
SGホールディングス(HD)は3月30日、2030年度を念頭に置いた長期ビジョン「Grow the new Story. 新しい物流で、新しい社会を、共に育む。」と、2022~24年度を対象とする新たな中期経営計画「SGH Story 2024」を公表した。
このうち長期ビジョンは宅配サービスの成長持続や新規事業展開などを通じ、連結営業収益(売上高に相当)は21年度(22年3月期)見通しの1兆5200億円から約4割増の2兆2000億円まで伸ばす考えを表明。同時に、2050年の「カーボンニュートラル」達成に向け、13年度を基準として24年度にCO2排出量を15%、30年度に46%減らしていく道筋を描いている。
新中計は、脱炭素などの社会・環境課題解決に資するサービスに注力する意向を強調。付加価値輸送サービスのTMSや3PLの輸送網拡充、宅配のサービスレベル向上なども推進することを打ち出している。
併せて、温室効果ガスの排出量削減へEV(電気自動車)を積極的に活用することや、宅配の市場成長を見込んで中継センターを整備することにも言及している。
最終の24年度(25年3月期)の目標として、営業収益は1兆6500億円、営業利益は1600億円(21年度見込み1390億円)、当期純利益は1050億円(960億円)、営業利益率は9.6%(9.1%)をそれぞれ掲げている。
3年間の投資総額は2150億円で、内訳は施設が1450億円、車両が350億円、ITが250億円、その他が100億円をそれぞれ想定している。
デリバリー(宅配)事業は、24年度の取り扱い個数を21年度見込みの14.1億個から14.5億個に伸ばし、1個当たり単価は21年度見込みと同じ水準の648円を維持する方針を表明。TMSの売り上げは1000億円から1700億円まで積み上げていくことを目指す。
(藤原秀行)