商品損傷時の過重な補償改善を検討
政府は飲料輸送の取引環境改善に向け、近く関係省庁などで構成する研究会を立ち上げる。トラックで輸送する際に商品の飲料が損傷を受けた場合、運送事業者がメーカーから過重な補償を求められているとの指摘が根強いことから、状況の改善を検討するのが狙いだ。
政府が昨年12月に開催した「下請等中小企業の取引条件改善に関するワーキンググループ」で研究会の設置を報告した。研究会には農林水産、経済産業、国土交通の各省と公正取引委員会、飲料メーカー、運送事業者、法律家らが参加する方向で調整している。
商品を運んでいる時に急ブレーキで飲料を収めている段ボールに傷が付くなどした場合、運送事業者に過失がなくても補償を求められたり、傷んでいない商品についても補償対象とされたりするケースがある。
一方、メーカーサイドも輸送事故で商品がダメージを受けたと判断する客観的な基準の有無が分かれているといった課題を抱えているほか、損傷を受けた部分の周辺にある商品も炭酸漏れなど品質が損なわれている可能性を考慮し、やむなく廃棄を強いられている側面もある。
研究会では運送事業者、メーカー双方の事情と立場を考慮し、法的な観点も重視して適正な補償の在り方などを探る見通しだ。
(藤原秀行)