情報を関係者間で迅速共有のフロー構築、活用の担い手も育成
広島県神石高原町と総合人材サービスを手掛けるパーソルグループのパーソルプロセス&テクノロジーは4月21日、自治体と町民によるドローンを活用した災害対応の実現に向け、ドローンを活用した被災状況把握と情報共有に関する一連の流れ(災害対応フロー)を構築したと発表した。
併せて、ドローン活用人材の育成も進め、2022年度は神石高原町が災害対応フローを対応できる人材として新たに町民8人を認定した。
内閣府が行う「地方創生推進交付金」と、広島県が展開している「デジタル技術を活用した中山間地域の生活環境向上事業」の採択を受けて実施している。神石高原町は災害が起きた際、町民がドローンを活用して被災現場を上級から撮影、画像データから1枚のオルソ画像(複数枚の静止画を重ね合わせて、一枚の画像に生成した)を作成し、遠隔地にいる自治体間で共有できるようにすることを目指している。
オルソ画像を使えば災害情報を文字情報のみに頼らず、視覚的に把握できるようになり、迅速な災害対応や応急処置の実現につながると見込まれる。3カ年計画の初年度に当たる2021年度は昨年7月から今年3月にわたり、パーソルP&Tが中心となって災害対応フローの構築と町民自身が安全を確保しながらドローンを飛行させるノウハウや、災害時のドローン運航に関する講習を実施した。
今後は、町全体にドローンを実装させていく担い手を拡充するため、22年度で度新たに10人の育成を目標に設定。災害分野で神石高原町が隣接している地域にも対応できるようなフローを構築に、広域の災害にも対応できるようにする構え。
ドローンを活用した災害対応の様子
災害対応フローの全体図
今年度構築した災害対応フロー
ドローンを活用した災害対応に関する講習の様子(いずれもパーソルプロセス&テクノロジー提供)
(藤原秀行)