経営計画更新、M&Aに最大3000億円投資を想定
商船三井は4月28日、従来の内容を見直した新たな経営計画「ローリングプラン2022」を公表した。
同社は2017年度から毎年、社会情勢の変化などを受けて内容を刷新している。新計画は海運領域で脱炭素の潮流が強まっていることを踏まえ、事業の継続性確保のためのサステナビリティの計画を更新するとともに、DXの取り組みを追加。環境対策として、LNG燃料焚き船の発注継続、アンモニア燃料船開発への投資継続などを設定している。
「グループ総合力を発揮し、グローバルな成長に挑む」をテーマに設定。2022~27年度の6年間に海運事業強化などへ総額1.9兆円、うち新規は1.6兆円を投資する方針を表明。洋上風力発電や物流など非海運事業の拡充、アジアに重点を置いた輸送にとどまらない大型案件の獲得を図る方針を盛り込んだ。
業績目標として、コンテナ船市況が新型コロナウイルスの感染拡大で国際物流が混乱、高騰した局面から23年度は市況が低位で推移し、その後回復するとのシナリオを前提に、27年度に2000億円の経常利益を確保できるようにすることを打ち出した。
投資については、21年度末時点で意思決定済みのものが2700億円、22~24年度の新規投資予定が7300億円の計1兆円と設定。M&Aには22~27年度で最大3000億円規模と見積もっており、そのうち1000億円は22~24年度に計画している。
地域戦略としては、インドで事業拡大を図る計画を取り入れている。
(藤原秀行)