先行きはウクライナ危機で不透明に
NX総合研究所は4月29日、「企業物流短期動向調査」を公表した。
国内向け出荷量の『荷動き指数』は今年1~3月実績(見込み)でプラス3となり、昨年末公表の2021年10~12月実績値より9ポイント低下した。前回調査より下がったのは2四半期ぶり。
20年10~12月から3四半期続けて上昇した後、21年7~9月にいったん低下。そこから上昇したものの、再び低下に転じた。
新型コロナウイルス感染拡大の影響で20年4~6月はマイナス65と、リーマンショック後の09年1~3月(マイナス75)に次ぐ11年3カ月ぶりの低水準まで悪化。その後は回復傾向が続いていたが、ここに来て一進一退が続いている。
一方、4~6月見通しはプラス7で、1~3月から4ポイントアップする見通し。ただ、ロシアのウクライナ侵攻で世界的に物流が混乱していることなどから、先行きは不透明だ。
指数は「増加」の割合から「減少」の割合を引いて算出。調査対象は製造業・卸売業の主要2500事業所で、今回は30.1%の753事業所が回答した。
1~3月実績(見込み)を15業種別に見ると、食料品・飲料や精密機械など4業種が前期から上昇、鉄鋼・非鉄や化学・プラスチック、木材・家具など11業種が低下した。
『荷動き指数』の推移(NX総研資料より引用)
(藤原秀行)