大和ハウス、物流施設やデータセンターなど事業施設の不動産開発に1.5兆円投資へ

大和ハウス、物流施設やデータセンターなど事業施設の不動産開発に1.5兆円投資へ

22~26年度対象の新中計公表、高度・先進型案件に意欲

大和ハウス工業は5月13日、2022~26年度を対象とする新たな中期経営計画を公表した。従来の中計は対象期間が3年だったが、今回から初めて5年に設定した。

「収益モデルの進化」「経営効率の向上」「経営基盤の強化」の3つの経営方針を掲げ、8つの重点テーマに取り組み「持続的成長モデル」の構築を目指す。

最終の26年度の業績目標として、連結売上高5兆5000億円(21年度実績見込み4兆3000億円)、営業利益 5000億円(同3600億円)、当期利益3400億円(同2150億円)を設定。ROE(自己資本利益率)13%以上なども念頭に置いている。

物流施設を軸とする事業施設の不動産開発投資は5年間で1兆5000億円と、19~21年度の前中計3年間の累積額のほぼ2倍に相当する規模を計画している。

8つの重点テーマは「地域密着型の海外事業による成長の加速」「すべての建物の脱炭素化によるカーボンニュートラルの実現」「デジタルトランスフォーメーション」などを設定。25カ国・地域を対象に戸建て住宅やマンション、商業施設、物流施設などで地域密着型の事業を展開し、26年度に海外売上高1兆円、営業利益1000 億円を目指す。

さらに、物流DXなどソフト提案までを含めた高度・先進型物流施設やデータセンターの開発など「次世代インフラの開発と雇用の創出」、卸売市場や商業施設など「老朽化した施設の再生・バリューアップ」、地域を活性化させる「地方中核都市を中心とした複合再開発」などの領域で約2兆2000億円の不動産開発投資を実施。事業の成長を図る。

物流施設に関しては米国やASEAN(東南アジア諸国連合)で引き続き、開発を進めていく姿勢を示している。

不動産開発投資のうち、物流施設やデータセンター、工業団地などの事業施設は1兆5000億円を想定。19~21年度の前中計の7800億円からほぼ倍増させることを見込んでいる。


(大和ハウス資料より引用)

環境負荷低減へ23年度に自社発電由来の再生可能エネルギーで事業運営に要する電力を全て賄う「RE100」を住宅業界で初めて達成させることを表明。30年度にはバリューチェーン全体で15年度比40%以上のCO2を削減するのに加え、国内では省エネ性能に優れた建物の「ZEB・ZEH」率100%を目指すとともに、原則全ての新築する建物の屋根上に太陽光発電システムを設置、再生可能エネルギーの普及拡大への貢献を図る。

(藤原秀行)

新中計の概要はコチラから(大和ハウス工業ホームページ)

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