【現地取材・動画】国内初、オンデマンドでロボットが最短30分宅配

【現地取材・動画】国内初、オンデマンドでロボットが最短30分宅配

楽天グループとパナソニックHD、西友が茨城・つくばで期間限定実施

楽天グループとパナソニックホールディングス、西友は5月26日、茨城県つくば市で、自動配送ロボット(UGV)が公道を走行し商品を宅配するサービスを5月28日から7月30日までの毎週土曜日、期間限定で実施すると発表した。

楽天はこれまでにもロボット宅配の実用化に向け、神奈川県横須賀市で同様のサービスを期間限定で展開してきた。今回は従来と同じくあらかじめ設定した時間帯の中で商品を届けるのに加え、国内で初めて注文を受けてから最短30分でUGVが届けるオンデマンド配送も提供する。

楽天やパナソニックHD、西友は配送を担う人手不足の深刻化を受け、UGVによる宅配の早期実用化を目指し、今後も取り組みを進める。地域の小売店や飲食店といった幅広い業態の商品宅配を担うことも想定している。


宅配サービスに投入するUGV。後ろは「西友つくば竹園店」

周辺1000世帯対象、冷凍・冷蔵商品も取り扱い可能に

今回の宅配サービスはパナソニックHDが独自に開発したUGV「X-Area Remote(クロスエリアリモート)」を採用。つくば市から約60キロメートル離れた東京都中央区銀座に位置しているパナソニックHDグループの拠点「Panasonic Laboratory Tokyo」から遠隔監視・操作する。

対象地域の住民が楽天のスマートフォン向け専用サイトで注文、楽天の決済サービスで代金を支払うと、つくば市内の「西友つくば竹園店」で取り扱う生鮮食品や弁当、総菜などを店員がUGVのロッカーに収納し、UGVが発進。配送先に届くと注文した人が通知された暗証番号を入力して、自らロッカーの扉を開け、商品を取り出す。

UGVが走行する際は保安要員が1人追随し、周辺を通行する人や自転車との接触などを回避できるようにする。

楽天が実施してきた過去のUGVによる配送サービスに比べ、対象エリアの広さや取り扱う商品の規模などを大幅に拡大。西友つくば竹園店から直線距離で最長約850メートルの域内にある地域の約1000世帯がサービスを利用可能で、2000点以上の商品を購入できるようにしている。

今回は常温に加え、初めて冷凍・冷蔵の商品も運べるよう特製の保冷ボックスを開発。さらに、従来は無料だった配送料を1回当たり税込み110円に設定、より実用化をにらんだ形態でサービスを展開する。


特製の保冷ボックス

各社は5月26日、サービス開始を前にUGVを使った宅配のデモンストレーションを現地でメディアに公開した。西友つくば竹園店からUGVが、つくばエクスプレスのつくば駅前の遊歩道など数百メートルを走行し、目的地のマンションの前まで無事商品を届けた。


店舗で商品を格納


遊歩道を走行


つくばらしい?「ロボットが時々通ります」の表示


子供や学生ら通りがかった住民が興味津々でロボットを見る


マンションに到着


ロッカーを開けて商品を取り出す

商品を注文した40代の女性は商品を受け取った後、マンション前で報道陣の取材に応じ「新型コロナウイルス禍で外出がしづらい中、自宅までロボットが届けてくれるのは本当にありがたい。インターネットスーパーより配送が早い。今後もぜひ使いたい」と感想を話した。




(藤原秀行)

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