初の大型物流インフラ構築案件、再配達削減など貢献目指す
パナソニックホールディングス(HD)は5月27日、傘下のパナソニックコネクトアジア(シンガポール)と同社グループのRFNet Technologies(同)が2020年9月にシンガポール政府のParcel Locker Networkプロジェクトのシステム開発・設置・保守サービスを受注した件に関連し、500カ所への宅配ロッカーの設置を完了したと発表した。
宅配ロッカー(以下、いずれもパナソニックグループ提供)
同システムはパナソニックとして初の大型物流インフラシステムの構築案件。今後はシステムの保守サービスを通じ、同プロジェクトの納入先で運営も手掛けているシンガポール政府系のPick Networkと連携し、より効率的で持続可能な配達システムの構築を後押ししてシンガポールの社会課題解決に貢献していきたい考え。
同プロジェクトはシンガポールでも急増しているeコマースの利用に対応するため、シンガポール政府が多くのオンラインショップや配達業者が利用できる共通宅配プラットフォームを構築、より効率的で持続可能な配達システムを作り上げることを目指している。再配達解消やエネルギー消費抑制などにつなげていきたいとの思惑がある。
居住地区を中心にシンガポール全土1000カ所に宅配ロッカーを設ける方針で、パナソニックコネクトアジアなど2社はその半分となる500カ所のソフトとハードの開発・製造・設置、Locker Management System(クラウド上に構築するロッカー管理システム)のソフトウエア開発を受注、推進してきた。
Parcel Locker Networkプロジェクトのシステム構成
同システムは消費者がオンラインショップで商品を購入する際に、配達先として最寄りのロッカーを指定すると、Locker Management Systemが指定場所のロッカーを確保し、宅配業者にロッカーの場所を通知。宅配業者が指定のロッカーに商品の配達を完了すると、Locker Management Systemから購入者にSMSやメールでその旨を通知する。購入者は24時間いつでも指定のロッカーから購入した商品を取り出すことが可能。
(藤原秀行)