ミシュラン、2024年問題にらみトラックなどの「タイヤ個体管理DX」促進へ

ミシュラン、2024年問題にらみトラックなどの「タイヤ個体管理DX」促進へ

RFID活用し運送業務の負荷大幅軽減目指す

フランスのタイヤ大手ミシュランの日本法人、日本ミシュランタイヤは5月12日、横浜市のパシフィコ横浜で開かれた「ジャパントラックショー2022」の会場内で、新製品などに関するメディアセミナーを開催した。

人手不足に直面する物流業界を支援するための様々なソリューションを公開。その一環として、2024年までにミシュラングループ全体で販売する商用車など向けの全てのタイヤにRFIDを埋め込み、1本1本のタイヤの状態を適切に管理できるようにすることを明らかにした。

トラックドライバーの人手不足が深刻化し、ドライバーの長時間労働規制が強化される「2024年問題」への対応を物流業界全体が迫られていることも考慮。「タイヤ個体管理のDX」を進め、運送業務の負荷を大幅に減らすことを目指す。

タイヤに搭載するRFIDは村田製作所と共同で開発した超小型で堅牢なタイプで、タイヤの側面に埋め込む。RFIDと個々のタイヤの情報をひも付ければ、交換すべき時期などを正しく把握できるようになると見込む。

日本ミシュランタイヤの須藤元社長は「物流業界や自動車業界のイノベーションの皮切りになるキーデバイスであることは間違いない。われわれのソリューションや製品が物流業界の進化に貢献し、物流の新時代を切り拓く一助になると信じている」と自信を示した。


メディアセミナーで撮影に応じる(左から)日本ミシュランタイヤ・田中禎浩常務執行役員と須藤社長、村田製作所・福原将彦RFID事業推進部ビジネスディベロップメント課シニアマネージャー

日本ミシュランタイヤはトラックショーで、路面に敷設した磁気スキャナーでタイヤの残溝の深さをミリ単位で正確かつ瞬時に測定できる「MICHELIN Quick Scan」(ミシュランクイックスキャン)を日本で初めてお披露目した。従来は専用のハンマーを使って空気圧を点検したり、目視でひび割れの有無を確認したりしていたが、大幅に手間を省けるとみている。

同社はRFIDタイヤとミシュランクイックスキャンを活用することで、4軸低床トラック50台を対象と仮定した場合、点検からタイヤに関する情報の把握、分析までに要する時間を約98%短縮できると見積もっている。

同社はこのほか、2021年12月にサービス提供を開始している、タイヤ管理をデジタル化したサービス「ミシュラン タイヤケア」なども公開した。


「MICHELIN Quick Scan」の展示イメージ

(藤原秀行)

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