オンラインモール出店者の4割弱が利用料に不満

オンラインモール出店者の4割弱が利用料に不満

「一方的値上げ」が最多・公取委調査

 公正取引委員会は1月29日、eコマースの取引実態調査結果を公表した。

 多くの商品を取り扱うオンラインモールに関し、出店している小売事業者の4割弱が利用料に不満があると回答。その半分程度が理由として、一方的に値上げされたことを挙げている。

 また、決済方法についても、オンラインモール運営業者が指定する方法しか使えないなどの不満を訴えた小売事業者が15%存在した。

 公取委は調査結果を踏まえ「自己の取引上の地位が出店者に優越しているオンラインモール運営業者が、正常な商慣習に照らして不当に利用料や決済方法を変更して不利益を与えるなどの場合には、独占禁止法上問題が生じるおそれがある(優越的地位の濫用等)」と警告。情報収集を強化する方針を示した。

 調査は2018年1~11月、4339の小売事業者とメーカーに調査票を送付、小売り848、メーカー360の計1208事業者から回答を得た。このうち、オンライン販売を行っていると答えた小売事業者は596だった。

 利用料に関しては、小売事業者のうち「不満がある」と答えたのが38%、「不満はない」は62%となった。不満を訴えた事業者にその理由を尋ねたところ(複数回答)、「一方的に値上げされた」が47%で最も多く、次いで「根拠のない新たな利用料などを一方的に請求された」(17%)、「利用料などの料金体系が公表されておらず不透明」(10%)などとなった。

 決済方法に関する不満(複数回答)は、「オンラインモール運営業者が指定した決済方法しか使えない」が44%でトップ。「決済方法は自由に選択できるが、オンラインモール運営業者に決済手数料を徴収された」が33%、「当初の決済方法を一方的に変更された」が30%などと続いた。

(藤原秀行)

公取委調査結果のダウンロードは以下から

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