「上意下達強過ぎ、上に物を言えない体質だった」

「上意下達強過ぎ、上に物を言えない体質だった」

日野自動車不正の特別調査委員会 記者会見骨子

日野自動車の日本市場向けトラック・バス用ディーゼルエンジンの排出ガスや燃費に関する認証申請に不正行為があった問題で、社内に設けた第三者による特別調査委員会(委員長・榊原一夫元大阪高等検察庁検事長)メンバーが8月2日、東京都内で開いた記者会見での発言骨子は以下の通り。

・国交省から2016年に不適切事案有無の確認あった際、日野自動車の担当者は当時の認証試験が適切に行われていたよう偽っていた

・上意下達が強過ぎ、上に物を言えない体質だった

・技術力よりも適切なプロセス管理ができていない、どちらかというとマネジメント系の課題が大きいと考えている。エンジン部門だけでなく車両トータルとして開発ができていない

・パワハラはある程度のものがあったと認定している

・上の役職員が個別具体的な不正を認識していた証拠は見つからなかった

・親会社がトヨタになったことが直接不正行為に影響した証拠は認められなかった

・開発・出荷段階の相互チェック機能が弱く、不正を発生できず温存されていった

・調査対象となった2003年の以前から不正が行われていた可能性はある

・海外の調査は多岐にわたり、相当時間がかかってしまう。国内向けに限定して調査、提言する方が合理的と考えている

・調査以前に内部告発があった形跡は見つからなかった

・不正が起こったのはそれまでの組織、チェック体制などシステムを構築してこなかったことが問題だろう。そういう意味では(経営陣に)問題があったと思う。トップがパワハラしていたという問題には接していない

(藤原秀行)

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