電力不要で軽量化、物流現場の負荷2割削減
東京理科大学発ベンチャーのイノフィスは8月4日、物流や農業、製造業などの現場作業時に装着して腰や腕をサポートし、負荷を軽減するマッスルスーツの新製品「GS-BACK」を発売した。
ピッキングや積み込み・荷下ろしなど、歩いたりしゃがんだり、立ち上がったりする動作を伴う手荷役作業が発生している現場向けを想定。リュックのように背負い、腰のベルトを締めて、ももの部分をサポートするパッドを前に回して使う。補助力は最大13重量キログラム。
高圧ガスを充てんした「ガススプリング」と引っ張りばねを組み合わせて体を支えており、電力が不要で、カバーを含めた重量は3.3キログラムと軽量化。庫内作業などに最適化しているのが特徴で、屋内外を問わず使用可能。価格は税込みで15万9500円。
「マッスルスーツ GS-BACK」(イノフィス提供)
従来のマッスルスーツ「Every(エブリィ)」は重量物を持ち上げたり降ろしたりする際、装着した人の腰などを強力にサポートできるのが特徴だが、しゃがんだり歩き回ったりしくいといった特徴もあった。今回、腰の負荷は程よく軽減しながらより連続で動作しやすくしたタイプも投入し、物流現場などの新たな需要を掘り起こしたい考え。
「GS-BACK」を使った実験では、物流現場での作業負荷を2割程度減らす効果を確認できたという。
東京都内で同日、記者発表会を開催したイノフィスの折原大吾社長CEO(最高経営責任者)は「GS-BACKは物流現場に非常に適した製品。製造業や介護などに加え、従来以上に積極的に物流業界へご提案していきたい」と意欲を見せた。
装着した際の様子
(藤原秀行)