【独自】DHLサプライチェーン・ジレ社長「日本では『グリーン倉庫』をスタンダードに」

【独自】DHLサプライチェーン・ジレ社長「日本では『グリーン倉庫』をスタンダードに」

太陽光発電導入など、国内で今後も大型拠点拡大を計画

DHLサプライチェーン(SC)のジェローム・ジレ社長兼日本・韓国クラスターCEO(最高経営責任者)は8月23日、千葉県八千代市で新たに建設する物流拠点「DHL八千代ロジスティクスセンター」の起工式を行った後、同市内で開催した直会(なおらい、記念式典)であいさつした。

ジレ氏はこの中で、新拠点の位置付けとして「首都圏でプレゼンスを高める上で非常に重要なマイルストーン。日本で初めての自社による大規模な物流拠点開発のプロジェクトになる」と意義を強調。「これで終わりではなく、日本国内でさらに大型拠点を拡大していく計画を持っている。八千代は出発点であると考えている」と述べ、3PLサービスなどを担う物流拠点を引き続き整備する意向を強調した。


「DHL八千代ロジスティクスセンター」の竣工イメージ


起工式に臨んだジレ氏(中央)ら関係者


起工式の様子(いずれもDHLSC提供)

八千代の新拠点は倉庫棟が地上4階建て、総面積は約1万2000坪を計画。ラグジュアリーライフスタイル商品をはじめとしたコンシューマー・リテール業界に特化し、最適な物流サービスを提供するマルチユーザー型の施設とする計画。竣工は2023年末を見込む。

ジレ氏は、八千代の新拠点について「弊社が取り組んでいる(環境負荷を低減する)『グリーン物流』へのコミットメントの表れ」と説明。パタゴニア・インターナショナル日本支社の物流業務を担うため、今春に千葉県印西市で稼働を開始した「印西ロジスティクスセンター・ウエスト」に続き、グリーン物流を徹底した物流拠点とすることに強い意欲を見せた。

具体的な取り組みとして、太陽光発電設備の導入、モーションセンサー付きLED照明などを列挙。「今後日本でそうした取り組みをさらに拡大していきたい。倉庫のスタンダードとしてきちんと進めていきたい」と決意をアピールした。併せて、人や環境に配慮した建物「グリーンビルディング」として評価する国際的な認証制度「LEED認証」のゴールド取得を目指していることを明らかにした。

直会では、来賓として八千代の拠点開発のアドバイザー的役割を務めるラサール不動産投資顧問の森岡亮太執行役員シニアマネージングディレクターもあいさつし、「八千代の拠点は竣工すれば非常に重要かつ優れた物流施設になる」などと期待を表明。設計・施工を担う佐藤工業の伊藤隆実専務執行役員は「物流施設の設計・施工の経験はあるが、日本国内で海外の企業様を相手にして仕事をお受けするのはまれであり、この日に至ったのは誠に感慨深く身の引き締まる思い。当社は今年7月で創業160周年を迎えており、節目の年に八千代の拠点を手掛けられて大変喜ばしく思っている」と述べた。


直会会場のジレ氏

(藤原秀行)

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