協議会設立、代替燃料採用などを検討
川崎汽船は9月7日、インドの鉄鋼大手JSW STEELと海上輸送の脱炭素化に向け、共同研究のための協議会を設立する覚書に署名したと発表した。
川崎汽船グループは2006年からJSWグループの原料輸送に従事。長期契約を軸にJSWとの取引関係を深化させてきた。2014年には現地海運会社を設立、JSWの内航貨物輸送にも携わり、22年にはスプラマックス型バルカー契約の更改、ケープ型バルカーの新規契約を締結した。
現在は中型船から大型船まで幅広い船型で、上述の内航輸送も含め年間約1000万トンの石炭、鉄鉱石、石灰石などの輸送を担っている。
世界的に脱炭素の潮流が強まる中、両社は2050年までの温室効果ガス排出実質ゼロを共通の目標に設定。海上輸送における新たな技術や代替燃料の採用など、双方が持つ知見を活用し、脱炭素化に向けた研究を共同で推進していくことにした。
川崎汽船は5月に公表した中期経営計画で、鉄鋼原料輸送事業を、成長を牽引する役割の1つに位置付け、中小型船事業を稼ぐ力を磨き上げて貢献する役割を担う事業の一角と設定。変化する顧客ニーズにも的確かつ柔軟に対応するべく、グループ全体で顧客と海上輸送に関わる低炭素・脱炭素化を通じて、パートナーシップを一層深めていく方針。
(プレスリリースより引用)
(藤原秀行)