米デカルト・データマイン調査、10カ国・地域ベースで2年2カ月ぶり前年割り込み
米調査機関デカルト・データマインが9月12日公表した海上コンテナ輸送量実績調査結果によると、8月のアジア主要10カ国・地域発米国向け(往航)輸送量は前年同期比0.6%減の179万6661TEU(20フィートコンテナ換算)だった。
新型コロナウイルスの感染拡大で世界経済が混乱した2020年6月以来、26カ月(2年2カ月)ぶりに前年実績を割り込んだ。中国の伸びが鈍化したほか、上位のベトナムや台湾が落ち込んだことなどが響いた。
貿易量の約6割を占めて断トツでトップの中国は1.9%増の107万7034TEUで、3カ月連続のプラスだが、7月の11.4%増から減速した。新型コロナウイルスの感染拡大で上海のロックダウン(都市封鎖)が継続したことなどから港湾作業も影響を受けたが、ロックダウン解除で取扱量は持ち直していた。中国の今後の動静が注目される。
全体では、5カ国・地域がマイナスだった。取扱量2位の韓国は2.4%増の18万3446TEUだった半面、3位のベトナムは1.6%減の16万5190TEU、4位の台湾は0.9%減の9万1682TEUにとどまった。日本は46.4%減の3万4923TEUと大きく減少した。
8月の主要品目別実績は、トップの家具類が19.8%減、2位の機械類も3.0%減となった。3位の玩具・運動具は13.5%増、4位の電子電機は3.8%増など、明暗が分かれた。
一方、米国発アジア主要10カ国・地域向け(復航)の7月分は1.5%減の42万1107TEUで、13カ月連続のマイナス。中国向けは5.9%減の11万6561TEUで6月に続いて全体の足を引っ張った。日本向けは2.4%増の5万3696TEU。
(藤原秀行)