ユーグレナや川崎近海汽船、鈴与商事:モーダルシフトと連携し一段の環境負荷低減図る
川崎近海汽船とユーグレナ、鈴与商事は9月27日、静岡県の清水港で、川崎近海汽船が保有・運航するRORO船「豊王丸」に、ユーグレナが販売する次世代バイオディーゼル燃料「サステオ」を採用する実証試験航海を開始したと発表した。
豊王丸をバックにして記念撮影に応じる(左から)豊王丸の戎谷機関長と濱村船長、ユーグレナ・尾立執行役員エネルギーカンパニー長、川崎近海汽船・川崎常務取締役、静岡県・齋藤清水港管理局長、鈴与商事・太田専務取締役、川崎近海汽船・平野船舶部長(各社提供)
サステオはバイオマス(生物資源)を原料とし、船舶の主燃料の重油と混焼させることができるため、内燃機関を変更せずに使えるのがメリット。燃焼段階ではCO2を排出するが、バイオマス原料が成長過程で光合成によってCO2を吸収するため、使用した際のCO2の排出量が実質的に相殺され、カーボンニュートラルの実現に貢献すると期待が高まっている。
実証試験航海では、豊王丸が寄港する大分港と清水港で岸壁停泊中に、これまでの重油を使わずサステオのみを代替使用し、通常業務に支障がないかどうかを確認する。岸壁停泊中の豊王丸は、カーボンニュートラルの概念から燃料燃焼時に排出するCO2を最大2割程度削減できるとみている。各社はトラック輸送からのモーダルシフトとサステオの利用を組み合わせることで、環境負荷を一段と低減したい考えだ。
豊王丸への給油を担当した鈴与商事は、2021年7月から自社の宅配水配送車両でサステオを採用。22年3月には鈴与グループで航空事業を営むフジドリームエアラインズの航空機へサステオの給油を実施した。
(藤原秀行)