「レベル4」のドローン輸送、郵便局間の荷物やり取りにも投入を想定

「レベル4」のドローン輸送、郵便局間の荷物やり取りにも投入を想定

日本郵便・小池常務執行役員、降雨への対応も検討

日本郵便の小池伸也常務執行役員は3月24日、東京都奥多摩町で、国内で初めて第三者の上空を含むルートをドローンが操縦者の目視外まで自律飛行する「レベル4」を実施した後、記者団の取材に応じた。

小池氏は「ここ奥多摩町で実用化の一歩手前のものをやらせていただいたことは本当にありがたい限りだ。予定通りの運航になった」と評価。2023年度以降の実用化を目指す意向を示すとともに、郵便物などの配達に加え、郵便局間の荷物の輸送にも投入を考えていきたいとの考えをあらためて明らかにした。


取材に応じる小池氏

奥多摩町では、これまでに無人地帯上空をドローンが目視外まで自律飛行する「レベル3」の実証実験を行ってきた。小池氏は「レベル3の昨年と比べると(同じ配達先まで)飛行距離で2割、時間で4割削減できた。(実用化できれば)非常に効率的になってくると思っている」と配送業務効率化へ期待をのぞかせた。

今後の実用化に向け、小池氏は「新しい技術ということで、見たことがないものが空を飛んでいることに対する不信感や驚きはあると思う。自治体や住民の方々のご理解をいただくことが不可欠。理解を得ながら広げていくことが最低限必要だ」と語り、地元住民のドローン物流に対する理解の醸成を最重視していく姿勢をアピールした。

同時に「機体の型式認証やレベル4飛行の許可は、日本郵便が(ドローン物流で)一定のレベルになっているということがあったからだと思う」と自信ものぞかせた。

この日はドローンによるデモを2回予定していたが、2回目は配送先の住宅付近で雨が降ったため、配達自体は断念した。小池氏は「天候の急激な変更があった場合には安全を優先して運航を中止するのが大原則」と説明。実用化に向け、課題となっている降雨時の対応をどう克服するかについて問われたのに対しては「代替策は決め切れているわけではないが、これから検討していく。お客様にとっても不便にならない、われわれにとっても望ましい方法でやっていきたい」と述べた。


配達したドローン

(藤原秀行)

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