帝国データ調査、全体では過去最多ペース
帝国データバンク(TDB)は10月11日、物価上昇が経営に影響した「物価高倒産」が2022年度上半期(4~9月)は159件に達したと発表した。物価高倒産の調査を始めた18年以降で最多だった前年同期(75件)の約2倍に上った。
業種別に見ると、「建設業」(40件)が首位で全体の約25%を占めた。以下、「運輸・通信業」(37件)、「製造業」(29件)、「卸売業」(24件)と続いた。
9月に絞ると、「建設業」(10件)、「製造業」(9件)、「卸売業」(6件)、「小売業」(3件)の順。規模別にみると、全体の約7割が負債5億円未満の中小企業だった。
業種詳細別では「運輸業」(37件)がトップで、「総合工事」(24件)、「飲食料品製造」(13件)、「職別工事」(10件)、「飲食料品卸売」(8件)となった。上位は運輸、建設、食品関連の3業種が目立った。軽油の高騰などが響いたとみられる。
(いずれもTDBプレスリリースより引用)
TDBは「電気代の上昇や円安の進行も加わり、物価高の影響が徐々に本格化している様相がうかがえる。総合経済対策による物価高への効果がすぐに表れるかは不透明な部分も多く、資金需要が例年高まり、企業倒産が相次ぐ年末にかけて、物価高倒産はさらに増加していく可能性がある」との見方を示した。
物価高倒産は、法的整理に踏み切り倒産した企業のうち、原油や燃料、原材料などの「仕入れ価格上昇」、取引先からの値下げ圧力などで価格転嫁できなかった「値上げ難」といった要因で収益が維持できず破綻したケースを集計している。
(藤原秀行)