50種類以上の通い箱を自動認識、人手3分の1へ省力化可能と見込む
Mujinは11月29日、アイシンの工場で構内物流の自動化を実現したと発表した。
2台の通い箱ハンドリング知能ロボットと31台のAGV(無人搬送ロボット)を投入し、適切なタイミングで部品配膳・保管、空箱回収などの組み立て前後工程を自動化できる次世代供給システムを構築した。
種類もロット数も異なる多品種部品の組み立てライン供給作業は、各部品を整理・管理し、組み立てラインの稼働状況を把握しながら、タイミング良くライン供給する必要があり複雑なため、現状では多くの人手を要している。
また、混載通い箱の段ばらしの自動化も技術的に難易度が高く、多くの作業を人間に頼っている。省力化を図るため、多品種部品の供給・管理の自動化にこぎ着けた。
通い箱ハンドリング知能ロボット
投入しているAGV
工場の様子
次世代供給システムは、組み立て工程前後のほぼ全ての搬送作業を、群制御された31台のAGVで効率的に実行。組み立てラインの稼働状況に従って入荷・保管・仕分け・組み立て・空箱回収エリア間の搬送を最適なタイミングで行えるのが特徴。
仕分け工程における通い箱の段ばらし・移載などのハンドリングを、2台の知能ロボットが担当。ロボットハンドに搭載した3Dビジョンによって、ふた付きのものも含めた異なる50種類以上の通い箱を認識、箱の大きさに合わせて大型可変ハンドを変化させてハンドリングしている。周辺環境やロボット自身の可動域を考慮した上で、最適な軌道を描きながら、パレットからの段ばらし、保管棚や台車などへの移載を行う。
アイシンの工場は次世代部品供給システムを稼働させたことで 部品供給の最適化を実現。全体の必要な作業人員を3分の1に抑えることが可能となった。
併せて、重量物を運搬したり工場内を長い距離にわたって歩き回ったりする必要がなくなり、働きやすい環境を整えるとともに、フォークリフトや電気カートが不要になるため現場の安全性向上にも寄与すると見込む。ヒューマンエラーによる部品の取り違い防止につながるため、作業の正確性アップも期待できるとみている。
工場の概要(いずれもMujin提供)
(藤原秀行)