ESR、米スタックインフラストラクチャーと関西圏で72MW のデータセンター開発

ESR、米スタックインフラストラクチャーと関西圏で72MW のデータセンター開発

棟構成キャンパス型、1期目は25年第2四半期竣工予定

ESRグループは12月5日、米スタックインフラストラクチャー(STACK)とジョイントベンチャー(JV)を設立し、⽇本の京都府相楽郡にIT電力容量合計72MWの3棟から成るデータセンター・キャンパスを開発すると発表した。

新たなデータセンターは日本の主要なインターネットエクスチェンジ(インターネットサービスプロバイダーが相互に接続する拠点)がある大阪市中心部へのアクセスに強みを持ち、安定した電力供給とクラウドネットワークへの接続拠点に恵まれた、データセンターにとって戦略的な地域に位置しているのが特徴。

電力容量の拡張性やラックの高密度化など、汎用性を重視した施設計画とする予定で、大手クラウドサービスプロバイダーを含む、世界的な企業の「ハイパースケーラー」や共有スペースにサーバーを置く「コロケーション」向けデータセンター事業者まで、顧客の多様なデータセンターニーズに柔軟に対応できる大規模なデータセンターとなる。

高効率の冷却システム、省エネのデジタル機器採用など、業界最高レベルのPUE(エネルギー効率)とWUE(水と電力の消費量の比率)の基準を満たす計画で、CO2 排出量削減にも積極的に取り組む。

データセンターはSTACKブランドで運営する予定で、1期目は2023年第4四半期に着⼯、25年第2四半期に稼働する計画。

ESRとSTACKは韓国・仁川のIT電力容量48MWのデータセンター開発で初めて提携したことを今年9月に発表し、今後アジア太平洋地域(APAC)のデータセンター事業でさらに提携を強化していく考え。

7月に組成したESRグループ初のデータセンター事業に特化したファンド「ESRデータセンター・ファンド1」を通じ、本年10月1日に着工した大阪府大阪市の「ESR コスモスクエア OS1」、東京都東久留米市で開発中の「ESR TK1 データセンター」のほか、香港やソウル、シドニー、ムンバイ、シンガポールでデータセンターを開発中。

STACKはAPACの事業拡大のために昨年10月にシンガポール本社を設立、この1年間で千葉県印⻄市(IT電力容量36MW)を第1号として、オーストラリア・メルボルン、キャンベラ、パース(IT 電力容量合計124MW)、ESRとのコラボレーションとなる韓国・仁川でのデータセンター開発を発表済み。今回のデータセンターはSTACKにとってAPACで6件目の開発となる。

(藤原秀行)

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