三井不動産・植田次期社長「ビル事業テナント3000社の基盤を物流施設開発にも活用」

三井不動産・植田次期社長「ビル事業テナント3000社の基盤を物流施設開発にも活用」

トップ人事発表会見で「われわれが力発揮できる分野」と事業成長に意欲

三井不動産の次期社長に就くことが決まった植田俊取締役専務執行役員と菰田正信現社長は12月9日、東京都内で記者会見した。

植田氏は「当社の本質は“産業デベロッパー”であると考えている。企業や社内、それを構成する人々の発展と成長に貢献できるような街づくりを行い、当社もともに成長していきたい」との決意を語った。

また、自身として重視している言葉に「妄想、構想、実現」を挙げ、「1人1人の突拍子もない妄想、そこに大義があれば構想になり、実現につながっていく。ぜひご期待いただきたい」と強調した。

物流施設の開発・運用を担うロジスティクス事業に関しては「ビル事業と同じくBtoBであり、当社はビル事業で3000社のテナントさんがいらっしゃる。その基盤をうまく活用して今後事業を展開していきたい」との考えを表明。幅広い顧客層を生かし、物流施設の需要掘り起こしや早期のリーシングなどにつなげていきたいとの姿勢を示した。

併せて、「かつての倉庫と現在の物流施設は全く似て非なるものになっていると理解しており、まだ日本では足りていない。より産業として効率化する基盤の部分になってきている。このジャンルは非常に必要とされるし、われわれが力を発揮できる分野だと思っている」と述べた。


会見に臨む植田氏

菰田社長は交代の理由として、2023年3月期に過去最高の営業利益を達成する見通しとなるなど、長期経営方針「VISION2025(ビジョン2025)」で想定する成長を着実に続けてきたことを列挙。「ビジョン2025の先は次世代のリーダーに託すのが望ましいと考えた」と説明した。

後任の植田氏については「私の右腕としてビジョン2025の進捗などに大きく貢献してきた立役者。新時代を切り開いてくれると考えている」と評価した。同時に、今後も経営環境が厳しいことが見込まれるため、引き続き自身も代表権を持ち、植田氏と連携していきたいとの意向を見せた。


会見後の撮影に応じる植田氏と菰田氏

(藤原秀行)

物流施設/不動産カテゴリの最新記事